イヤな思い出を公開します(坂口孝則)
今回は、ちょっと個人的な話をさせてください。イヤな思い出です。
以前、会社を辞めたときのことです。あるひとから食事の誘いを受けました。不思議だったんですね。なんで、私を呼ぶのか。
以前、ちょっと仕事で関係していたくらいで、さほど仲良くもありませんでした。何歳か年上のひとです。
でも、こちらは新たな仕事を創りださねばなりませんし焦っていたんです。何かヒントになるかもしれない、と思い、その食事を引受ました。
酒が入り、その人が酔ったあとのことです。
「あのさ、そういえば、なんか会社を辞めたらしいけど何しているの?」と訊いてきました。
「いまは、原稿とか、メディアに出て稼ぐしかない」と答えました。そのときは、研修の仕事も、コンサルの仕事もありませんでした。
「ふーん。食えていないだろ」と言われました。
「まあ、なんとか」というと「嘘だろ、カネになっていないだろ」と言われました。
そして、雑誌とか、番組名を聞かれたので「雑誌サイゾー」と「がっちりアカデミー」を答えました。
するとその人は、「知らん。何それ? そんなの誰も知らないんじゃねえの」と言われました。
さらに「じゃあ、隣のコンビニで買ってきてよ。読むから」と私に指示しました。コンビニには売っていないと思うと伝えると、「え、じゃあ、ほんとは書いていないんじゃない」といわれる始末でした。
「会計終わったら、見に行こう」とか「その番組を知っているか、ウェイトレスに聞いてみよう」だとか、さんざんなことを繰り返しました。
「あーあ。コンビニに売ってないよ。誰も読んでないよ。なんだよ、ぜんぜん有名人じゃないじゃん」と言われました。
最後は、「じゃあな」でした。
私がどのような気持ちになったかわかりますか。
私は、無数の仕事をしています。そして、無数のチャレンジやそして学習をしているつもりです。
「なぜそこまでやるんですか?」の質問には、おそらく自分も気づいていない深層のレベルで、「負けるもんか」の気持ちがあるんだと思います。
今回は、なんら教訓的な話はありません。
ただ、一言、あなたに言っておきたいと思います。「負けないように一緒にがんばりましょう」と。