番外編「バイヤのミス」1
必要なモノやサービスの内容を正しく取引先へ伝えるのは、調達部門の仕事のはじまりです。しかしどんな仕事でもミスは発生してしまいます。大事なのはミスした後の対応と二度とおこさないための再発防止策です。発注ミスは会社に損害を与えたり、取引先とつくり上げた信頼関係を損なったりします。ビジネスパーソンとしての信用が失われ、なに一ついいことはありません。サプライヤトラブルシューティングの番外編として「バイヤミス10選」について、発注するときのミスと、ミスを起こさない方法について学びます。
バイヤのミス1 発注金額
取引先の営業パーソンは発注書を受け取ったとき、まっ先にどこを見るでしょうか。なによりもまず発注金額を見るはずですね。営業パーソンであれば誰もが気にしている数字です。記載ミスは避けなければなりません。
発注金額の記載ミスを避けるには、必ず「見積書」に書いてある数値を理解します。見積書に書かれている数値は「単価」「合計金額」「消費税額」「税込み総額」の少なくとも4種類あります。価格の明細が記載され、むずかしい発注内容であれば、いくつも数字が並んでいるはずです。最終的に発注条件と合意内容が書かれた見積書を入手して発注書を作成します。
見積書の作成内容は、会社ごと、営業パーソンごとに異なっています。営業パーソンごとに違う見積書の「クセ」を理解し発注書を作成しましょう。多くの場合、見積作成時は消費税抜きの金額を情報システムかエクセルシートに入力し、税額は自動計算されて総額が算出される仕組みになっています。事前に小数点以下の計算方法まで取引先と合意(例:小数点第一位を四捨五入)しておけば、1円単位の意図しない行き違いも防げます。
バイヤのミス2 発注数量
発注金額の大小は発注数量によって決まります。発注数量は発注金額と同じくらい大事な数字です。発注数量は社内に情報があるはずですね。見積依頼のときも、あらかじめ想定する発注数量を伝えているはずです。基本的には見積依頼のときと同じ数量で発注書を作ります。発注数量がわからないときは、見積依頼と同じ数量でよいかを営業や生産計画へ確認して発注書を作成します。