新型コロナウィルスの次にやってくるもの(坂口孝則)

このところ考えていることを書いておきます。

1.新型コロナから新型サーバーウィルスへ

現在も新型コロナウィルスが猛威を振るっています。企業はオンラインやテレワークへの移行を進めています。そうなると、理屈で考えれば、サイバー空間での強力なウィルスを想定しておかねばならないでしょう。これだけオンラインに企業活動が移行する以上、世界を混乱させるには、コンピュータウィルスを作るのが皮肉なことに、もっとも「合理的」なはずです。私は、数年以内に、世界を異常な混乱に陥れるコンピュータウィルスが登場すると予想します。

2.役員感染症を防げ

現在、オンラインでの会議が一般的になりました。Zoomよりもteamsを使っている企業が多そうですね。しかし、デジタル化というのは、奇妙な拡大を生みます。本人が語ったニュアンスは、生身と生身の人間が触れ合わないとよくわかりません。しかし、デジタルだと誤解が生じます。ある役員(役員とは比喩で、つまりは上位者)の発言「中国から撤退を検討しよう」が社内で拡散されます。ただ、実際は「中国の一極集中は危ないよね」といったていどです。ぜひ、役員の発言を極端に拡散する、いわば、役員感染症の防止は重要になってくるでしょう。

3.調達専門家会議

なぜあれほど、新型コロナウィルスの専門家会議は政府から信頼されているのでしょう。企業のなかでも、調達部門が、調達専門家会議を作ったらどうですか。企業の関係部門から、かならず相談される会議体です。私が思うに、新型コロナウィルスの専門家会議は「危機を煽る」「数的モデルを使う」「門外漢からは凄そうに見える」といった点が、戦略的ではなかったにせよ、地位を高めたと思います。なお、新型コロナウィルスは深刻な問題なので皮肉ではありません。しかし、同時にヒントにあふれています。社内で調達部門の地位を高めるならば、「調達網の断絶を常に語る」「ロジックで語る」「新たな法規制や、世界潮流など、調達部門でないひとは知らないトレンドを語る」ことが必要でしょう。

4.調達緊急事態宣言を!

現在、サプライヤの状況が劇的に悪化しています。もはや、事業存続のための資金が枯渇しているのです。これまで調達部門は、持続可能な社会を提唱してきました。しかし、業務量の劇的な低下により、サプライヤの稼働率が激減しています。固定費を稼ぐこともままなりません。まさに、調達緊急事態宣言に値します。サプライヤへただちに「投資案件の中止」「固定費の削減」を通知すべきです。投資家として有名なジョージ・ソロスは「まずは生き延びろ! 稼ぐのはそれからだ」と言いました。いまは、なりふりかまわず、サプライチェーン全体のプレイヤーに、ただただ生き延びるための施策を総動員してもらうタイミングです。

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