サプライヤー戦略(7)発注数がもたらすサプライヤーのリスク増減-1

・受注減というサプライヤー側のリアルとリスク管理

 

ここで発想をやや変えてみましょう。サプライヤーにとっても、バイヤー企業はリスクの一部ではないか、と。たとえば、「一月の発注数が5,000個」とサプライヤーに伝えるとき、そのブレはサプライヤーにとってリスクにほかなりません。月あたりの固定費は、受注数の中から回収するしかありませんから、その数量が1,000個に激減してしまったとすれば、赤字に甘んじるしかないからです。

もちろん、受注数が多いのにこしたことはありません。ただやはり減ったときが問題なのです。前章で説明したとおり、製品コストのうち変動費は生産に応じてかかるだけなので問題ないものの、固定費は製品受注数によって一つあたりに割り振ります。ただし、発注数が減ったからといってやすやすと値上げを認めてくれるバイヤーはなかなかいません。サプライヤーにしても、その価格で仕事を受注したわけですから多少の変動によって値上げを交渉するわけにもいかないでしょう。その後の両社に禍根を残すことにもなりかねません。

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