サプライヤー戦略(6)標準偏差がわからずにリスクはわからない-2

調達・購買において、このリスクの把握ということはさまざまな意味をもたらします。たとえば、調達リスクです。1社からの調達リスクを減じるために複数社調達を実践している企業はたくさんあります。その意味がサプライヤーの倒産リスクというとき、そのリスク度がどれほどのものかちゃんと把握しているところがどれほどあるでしょうか。また、それが1社独占による価格の硬直リスクというとき、その硬直化のリスクはいったいどれほどでしょうか。

サプライヤーが平均的なコストからときに乖離する見積りを持ってくるとき、たとえば標準偏差が20%程度であるとき、100円程度である製品を120円で見積ってくる可能性は「想定の範囲内」として認識しておかねばなりません(ちなみに、複数社調達によって個々のリスクを減じることができるのはファイナンスのポートフォリオの考え方と相似していますが、本書ではそこまで立ち入りません)。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

あわせて読みたい