調達コスト決定戦略(9).非サンクコスト固定費とサンクコスト固定費-3
・値引きはどこまで可能か?
バイヤーが価格交渉をする際に、サプライヤーはまず利益と固定費を削ってきます。
利益を削るというのはわかりやすいですね。次に固定費を削る理由は売価から変動費を差し引いたものが「限界利益」と呼ばれ、そこが付加価値になるからです。
サプライヤーとして、変動費は生産に応じて費用発生するいっぽうで、固定費は製品が売れようが売れまいが関係なく生じます。すなわち、その製品を受注できないよりは固定費を削ってでも受注したほうが、限界利益は増えていくことになるわけです。受注できなかったら1円にもなりませんからね。
そして、固定費を削る際に、まずは「サンクコスト固定費」、次に「非サンクコスト固定費」を削ります。段階は、「利益」「サンクコスト固定費」「非サンクコスト固定費」となり、最終的には「変動費+1円」という価格が値下げの限界点となるのです。