調達マンが手塚治虫になる日(坂口孝則)
故・手塚治虫さんは、私と同じ大阪大学卒業なので一方的に親近感をいだいていました。手塚治虫さんのモノづくりにかける情熱も尊敬しています。あるとき、氏のもとにブラックジャックの海賊版が届けられました。それはホンモノを勝手に中国訳し、構図もデタラメなものだったようです。手塚さんは怒り狂ったそうです。出版社の担当者が「これは外務省を通じて抗議しましょう」というと、手塚さんは逆に「そうじゃない、こんなマンガを読むしかない中国の子どもたちがかわいそうだ」と、なんと無償で中国版を書きなおしたそうです。
同じような話は藤子・F・不二雄さんにもあり、アジアを訪問中に子どもたちから「ドラえもん」の海賊版を差し出され、それに優しくサインをしつつも、ドラえもんを書きなおしてあげたそうです。いわば牧歌的ともいえますが、それだけ商業主義とは無縁に、自己作品を広げたかったともいえましょう。ビジネスうんぬんの前に、子どもたちに自己作品を楽しんでほしかったのです。
そのような偉人お二人と比較するのもどうかと思いますが……。私もかなりのコンテンツを無料公開しています。このように公表しないと誰も気づいてくれないでしょうから、自らいっておきます。未来調達研究所株式会社のホームページをご覧ください。
http://www.future-procurement.com/pagemap/
ここで目標としたのは、「調達・購買担当者が業務時間中にヒマになっても読みきれないほどのコンテンツを用意する」でした。ご覧ください。1000を超えるコンテンツを用意しました。このページさえあれば、相当な期間を有効に(?)活用できるはずです。しかも当然ながらお金はかかりません。
私の処女作である「調達力・購買力の基礎を身につける本」も全文公開しています。この本は、ロングセラーといって良いものです( http://goo.gl/iG4DUj )。もちろんお気に召したら買っていただければと思います。が、それよりも私は調達・購買業務の楽しさをみなさんに感じていただきたいと考えていますので、このように全文を公開しました。
売上とか利益とかを考えると、公開しないほうが良いはずです。しかし、まあ、それも良しと私は判断しました。
ところで、amazonの書評を見てみますと、少なくとも私の場合は星一つが多いほど、よく売れています。なので、星一つの酷評を怒る著者がたくさんいますけれど、私は喜ばしいことと感じています。星一つが多いと増刷するというジンクスかもしれません。何より、お金を払って読んでくれたひとたちに私は感謝しかしていません。私の書籍を買ってくれたひとがいれば、この場をお借りしてお礼申し上げます。