調達コスト決定戦略(9).非サンクコスト固定費とサンクコスト固定費-4

もちろん、例外的に変動費ちょうど、あるいは変動費割れで受注する場合もあるでしょうが、それは健全な利益共同体を目指すわれわれにとっては無縁であるために割愛しておきます。

そのように、サプライヤーは(主に競合などの背景によって)見積りコストを下げる行動をとり、「変動費+1円」という限界点まで削ることになります。サプライヤーの費用構造にも左右されるために一概にはいえませんが、サンクコスト固定費までを削った製品が3割以上になってしまうと、その経営が立ち行かなくなると言われます。

もちろん、経営が行き詰まるとバイヤー企業に納入ができない、あるいは突然のコストアップなどが待ち受けていることはいうまでもありません。逆に、サプライヤーのコスト構造がわかり、「サンクコスト固定費」「非サンクコスト固定費」の理論がわかっていればどうなるでしょうか。詳細見積もりを入手するように努め、それを分析、分類することによって適切な価格交渉が可能になります。

CVPからはじまった分析は、交渉という現場まで侵食し、新たなバイヤー像を形作っていくものなのです。

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