調達コスト決定戦略(2)損益計算書を読みこなせ-3

・調達・購買向けの決算書講座のスタートとして

 

調達・購買に関わる者として、まず決算書で注目するところは大きく「収益」と「費用」です。「収益」という言葉を、ときに「営業利益」あるいは「経常利益」という意味で使用する人がいます。それは正しくなく、「収益」とは売上高を含めた、資産を増加させる要因のことをいうのです。それに対して、「費用」とは、その収益を得るために費やされたもののことを指します。

そこで、

  • 「収益―費用=利益」

という数式が導かれます。

損益計算書を読むときに注意したいのが、それが「売れた分」のコストを計算していることです(これを売上製造原価と呼びます)。すなわち、在庫になってしまっているものを生産した費用などはそこに含まれません。実際はお金がかかっていても、売れた分しか損益計算書には反映しないわけです。そこで、決算書上のお金と、実際のキャッシュフローに乖離が生じます。これも重要なことなので覚えておいてください。

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