サプライヤー戦略(6)標準偏差がわからずにリスクはわからない-1

・リスクをリスクとしてあらかじめ把握しよう

 

漫然とした不安を感じる、というウツ状態になることが人にはあります。それを完全に払拭することは難しいものの、有効とされている手段は、その「不安を感じているもの」がいったい何なのか書き出してみることです。そうすれば、恐れていたものが取るに足らないものと認識もできるようになり、不安が和らぐといいます。

標準偏差を求めたのも、自分の予想の力を強化するためのものでした。そして、将来への不安を、リスクの明確化によって少しでも減じていこうとするものです。

前節で標準偏差がリスクの正体であることをわかってもらえたでしょうか。現在「不確実性」という言葉がよく使われます。これをさきほどの標準偏差と絡めていうのであれば、予想可能な不確実性を「リスク(=標準偏差)」と呼び、予想もできないような不確実性を「真のリスク」と呼びます。市場における激震のような暴落や戦争、パンデミックのようなことは後者でしょう。でも、せめて前者の計算できる程度のことは「想定の範囲内」として把握しておかねばなりません。

* この章では「リスク」を本来の意味で使っており、他章では「危険性」、あるいは「不利なことが起こる可能性」という意味になっていることは予めご容赦願いたい

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