調達コスト決定戦略(3)固定費と変動費とは何か-2
ここでは、管理会計の基礎から、調達・購買業務に役立つ地点にまで辿り着くことを目的としましょう。
まず、コストを分類すると、次の二つにわけることができます。
- 固定費……売上高や生産の増減にかかわらず必ずかかってしまうコスト
- 変動費……売上高や生産の増減に応じて比例的にかかってくるコスト
正社員の給料や、賃借料、減価償却費などは、月々の売上や生産がどうであれかかってしまうコストですから、文字通り「固定」費になるわけです。それに対して、変動費は材料費や消耗品代などですから、生産が増えれば同じく増えますし、生産が減ればこれも同じく減っていきます。
これは、サプライヤー(および自社)の利益管理を行う際に大きな意味を持つことになるのです。たとえば、現在10億円の売上高で1億円の利益を生んでいるサプライヤーがあったとします。単純に考えると、売上高が5億円になれば利益も同じく50%ダウンの5千万円になりそうなものですが、そうはならない。変動費は比例的に減じていく一方で、固定費は減りません。売上高よりも遥かに大きな%の利益減となってしまいます。