ちょっと待った!サプライヤーが2社以上なら安心か?~シングルソース対応問題

シングルソースサプライヤーや独占サプライヤーで生じる問題は、ある購入カテゴリーから買うモノやサービスを供給するサプライヤーが1社しかない場合でしか起こらないでしょうか。例えば、購入カテゴリーにサプライヤーが2社以上いれば、シングルソースサプライヤーや独占サプライヤーでバイヤーが直面する問題は発生しないのかどうかです。

 

例えばこんなケースが存在します。建前的には苦痛のサプライヤーが存在し、購入機会ごとに見積書を普通のサプライヤーから取得して、比較検討し購入条件の交渉を行った上で発注するサプライヤーを決定しています。確かに業務プロセスから判断しても、独占サプライヤーやシングルソースサプライヤーではありません。しかしだからといって、安心しないでください。

 

例えば、見積依頼を2社、あるいは3社に行って、複数の見積書を比較検討した時に、思わず価格が類似している、似通っているケースはありませんか。もちろん市場における競争が厳しくれば、提示された見積金額が同じになる場合もゼロではありません。しかし、何度も見積依頼を行って、非常に似通った価格が提示される場合は、サプライヤー同士で価格情報をやり取りしていないかどうか、といった疑念が生じますよね。

 

仮に全く同じようなモノやサービスを提供してくれるサプライヤーでも、コスト構造は絶対に違います。したがって、もし同じような価格を提示してくる複数社のサプライヤーが存在する場合は、複数社のサプライヤーの長年にわたる固定化は避けなければなりません。もちろん、普通のサプライヤーが裏で談合めいたやりとりをしているケースは非常に少ないでしょう。しかし長年の取り組みによって、価格レベルが均一化されてくるのは、どんな業界でもどんな製品でもどんなサービスでも発生する可能性があります。

 

したがって、複数のサプライヤーが存在したとしても、複数のサプライヤー同士が競合する、競合をバイヤー企業に有利に機能させるためには、ただ漫然と複数社に見積依頼を行うのではなく、バイヤーが行う創意工夫によるサプライヤーの刺激が欠かせないのです。シングルサプライヤーや独占サプライヤーが引き起こす問題を、複数のサプライヤーによる「棲み分け」によって、全く同じようなデメリットが発生する可能性があることを、バイヤーは忘れてはなりません。

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