人によって対応を変えるのがバイヤーである

私は日常的に人によって対応を変えています。

 

例えば、サプライヤの営業パーソンが上司と一緒に来るとき、来訪者の役職によって、自分の上司とスケジュールを調整したり、いつもの打ち合わせ机ではなく応接室で対応したり、来訪者によって対応を変えた経験は誰しもがもっているはずです。そういった人による対応方法の違いは、来訪者へ礼節を示すと考えています。

 

気をつける点は、相手によって変える対応を相手に悟られない点です。相手によって対応を変えるのは業務上必要だから。相手に悟られないのは礼儀と考えています。

 

私のサプライヤマネジメントセミナーでは、管理項目の一つにサプライヤのキーマン分析が含まれています。サプライヤ社内で、誰が意志決定の実権をもっているかを明らかにする取り組みです。二つポイントがあります。一つはサプライヤのルールとしての形式的な決裁権限。一般的には、金額で規定されています。もう一つは実質的権限。上司から信頼されていたり、サプライヤ社内の関連部門から一目置かれていたりすると、形式的権限を超え営業パーソンがすべてを決め、仕事を進められます。

 

同じような取り組みはサプライヤの営業部門でも行っているはずです。そして、もしサプライヤの上司が私を飛ばし上司と交渉しようとしたら、私は自分が未熟だったんだな、と思います。私に話をする価値がないと判断された、そう考えます。

 

昔、定年退職前の大先輩から担当サプライヤを引き継いだとき、サプライヤの営業パーソンは私の目を見て話をしてくれませんでした。当時30歳だった私は、怒りより「しょーがないよな~」と思っていました。だって営業パーソンと比べれば明らかに若輩者でしたしね。でも、同時にやっぱり悔しかったのでしょう。目を見て話をしてくれなかった場所は今でも鮮明に覚えています。

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