アポなしサプライヤ来訪にも会うべきである

皆さまは毎日大変お忙しい日々を送っておられるでしょう。根拠のない予算やコストダウン目標に対処し、納期遅延を解消させ社内の会議にも出席しなければならない。毎日余裕やバッファの時間などないかもしれません。そんな時間に追いかけられる中でもアポなしでやってくるサプライヤに会うべきと考えています。

 

アポなしサプライヤ来訪には2種類あります。一つは取引しているサプライヤ。もう一つは飛び込み営業のサプライヤです。後者は社内へアポなしで入るのは難しいので最近は少なくなっているでしょう。私はどちらのサプライヤの来訪も会うべきだと考えています。

 

まず「アポなし」なので会える時間の決定はバイヤに主導権があります。どんなに余裕がないと言っても「どんな要件で来訪したのか」を確認する数十秒が捻出できないバイヤはいないはずです。アポがないから数十秒で要件を確認した後、対応可能な時間を伝えたり、後日仕切り直しをお願いしたりといった対応も可能です。「近くまで来たので」といった理由で立ち寄ってくれた人に「お元気ですか?最近もうかっていますか?」と数分間近況を確認する時間も確保できないほど忙しいバイヤっているのでしょうか。調整して数分捻出する、あるいは同僚に来訪者へ伝言してもらうといった臨機応変さはバイヤに欠かせない対応能力の1つです。

 

アポなし来訪は失礼でありビジネスパーソンとしての礼儀を欠いた行動と判断するバイヤもいるでしょう。でも重要な要件でわざわざ来てくれたかもしれないのです。電話やメールでは筆舌に尽くしがたく、直接会って話がしたいほどに伝えたい出来事があれば、アポがあるなしで礼儀を欠いているかどうかより、私は話を聞きたいと考えています。サプライヤの営業パーソンが困っていて、バイヤとして何かサポートできる機会となるなら、私は協力したいのです。

 

実際は99.9%の営業パーソンは事前に来訪予定を確認してくれます。アポなしサプライヤ来訪に対処すべき、そう思っていてもなかなか実践する場面は訪れません。だからこそ「何かあったのかな?」と、アポなしサプライヤの来訪を千載一遇であり一期一会の機会と捉え「会う」と決めているのです。

 

インターネットを活用したコミュニケーションツールの発達により、実際に面談する機会は、これからどんどん減少してゆくはずです。来訪に費やす移動時間を考えると、サプライヤとの面談時間は減少しなければ人口減少で人手不足に苦しむバイヤの仕事が回らなくなります。これからの時代、人と会う必要性の判断基準は厳格化が進むでしょう。そんな時代だからこそ、突然の来訪にはそうするだけの理由があるはずと考えます。これからもサプライヤアポなし来訪には会うべきとの考えを持ち続けたいと思っています。

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