バイヤーの倫理

「世界一のバイヤーになってみろ!!」

こういうタイトルの挑発的なメルマガをやっていたのですが、一番反響が大きかったのは、バイヤーの倫理観を問う号でした。

 

 

 サプライヤーとの関係において、バイヤーはどこまで厚かましくてよいものか。

 

 

 これを問うたのです。

 

 

 稚拙な経験でも、例えば、松下電器の営業マンから以前聞いたには、某飲食業界の購買マンは「毎日夕方頃になると意味もなく営業所にやってくる」というし、某電線メーカー(名前を隠さないと顧客がバレる)から聞くところでは、某通信キャリアの購買マンは「店まで指定して」接待を希望するといいます。

 

 

 「あれだけ安くしたんだから、多少は遊ばせてくれたっていいじゃねぇか」と、そんなことを同僚の私に言う人だっていました。
それはまさに、免罪符のように周囲に、そして自分に向けられた言葉であったのです。

まさに、この問題はバイヤーの生き方、というか倫理問題であるに違いありません。

ただし、結論的にいうと、コスト低減をしたから、会社からキックバックを受け取っていい、という心持は間違いであると私は確信しています。

給料というカタチや報奨金というカタチで支払われるべきであって、それ以上を求めるのであれば、不満を言わず、独立するべきだろう、と思うのです。

特に、自分の成果を、まわりまわってサプライヤーから得ようとすること自体が、どこか虚しいではありませんか。

バイヤー関係の本は、海外で多く出版されているのですが、その中でもこのサプライヤーとの関係において節度を保つことはどの本でも1章を割いて書かれていることが多いのです。

私は海外(外国人)のバイヤーは多く知りませんが、この倫理観でも日本が遅れをとっているとしたら、もう勝てるところはありません。いや、むしろ「新しいバイヤー」像がつくれるのだとしたら、この点でも他を凌駕すべきなのでしょう。

人のフリ見て~とは身近なところにも例があるようです。

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