3章・(7)-2 時間差を利用して「金利」を稼ぐ方法=ポイント制
・ポイント制導入のメリットとデメリット
ただし、私はポイント制を批判したいわけではありません。現在の小売業はギリギリの価格で販売していることも事実です。消費促進ツールとしてポイント制が使われているのだとしたら、それは同情すべきとも言えます。
あくまで商売をする側として、ポイント制のメリットを三つに集約してみましょう。
- ポイント制を実施することでお客に広くアピールすることができる……ポイントは固定費分を削ることによって創出されます
- ポイント発行から利用までの期間差で利率分を取り返すことができる。また、お客の使い忘れにより実質的な値引きを回避できる……さきほど説明した通り、ポイントに利子はつきません
- ポイント発行分を価格に上乗せすることができる……単純な値引きではなく「ポイント発行」を謳うことで、価格を上げることができます
二つの店のうちどちらに行こうか悩んだ場合はポイントカードを持っているほうを選択することもあるでしょう。ただ、店側からすると、ポイント制は「メリットがある」といいながらも、万全なものではありません。販売が停滞しているときに、すぐ「値引き」か「ポイント制」に頼りたくなるものです。しかし、あまりにポイントを乱発していれば、どんな店だって破綻します。
ポイント制は売上げに悩む小売業の苦肉の策という観点も忘れない方がよいでしょう。家電量販店があれだけの量を販売しながら、最終的な利益がたったの1~2%のところが多いという事実から、ポイント制業者の苦痛が透けて見えます。