３章・（９）-1 クレジットカードは時間を利用したマジックツール
キーワード「クレジットカード」「現金歓迎」「運用」「使い忘れ」
・クレジットカードは何をもたらすのか
強調されることには、なんらかの意味がある。そう考え始めたのは、幼い私が父親とのドライブのときに立ち寄ったガソリンスタンドでのことです。そこには「現金歓迎」と大きな赤文字が踊っていました。考えてみるに、支払手段はクレジットカードか現金しかない。その程度の知識であれば持っていました。では、同じお金なのに、なぜガソリンスタンドでは現金を望み、クレジットカードはそうではないのでしょうか。
そこには、こんなカラクリがありました。クレジットカード会社はどのように儲けているのでしょうか。それはおそらくお客がカードを使ったときだ、とはすぐに想像ができます。実際、お客がクレジットカードを使うと、店は５％程度の使用料をクレジットカード会社に支払う必要があります。お客がお金を支払わない代わりに、クレジットカード会社が肩代わりして店にお金を払うのです。その代わり、クレジットカード会社はお店から手数料をいただく、というわけ。だから、ガソリンスタンドは、実質数％値引きのクレジットカードを使われるよりも、現金のほうが嬉しい、ということです。
たまに、「クレジットカードをお使いになる場合は、手数料をいただきます」と言う店もあります。それは、クレジットカードによる実質値引きをお客側に負わせたいからです。ただ、とはいえお客にとっては値上げと同じことですから、店側が支払うことは少なくありません。いまではどこでも競争が激しいですからね。
私たちがクレジットカードを持つ理由はいくつかあります。
- 手持ちのお金がないときにも買い物ができる（支払いを先延ばしてきる）
- 札や小銭などに患うことなく買い物ができる
- ポイントが貯まり、実質的な値引きになる
このようなメリットが考えられます。社会人の多くは、数枚のクレジットカードを保有し、各種カードで財布を膨らませているはずです。
