1章・(9)-2「価格差」があるところにお金を稼ぐチャンスがある
・あなたはチャンスをどこに見出すか
中国に行けば、食料品が安いことを私たちは経験的に知っています。でも、だからといって、それを大量に仕入れて日本に販売しようと実行する人はなかなかいません。でも、やる人はやる。まさに、この「やる」ということが、商売を生み出すタネなのです。また、誰も知らない価格差を使うことも同じくタネになります。
- 誰も面倒でやらないこと:どこかの国から安価な商品を持ってくる等
- 誰も気づいていないこと:ある市場でのみ安く売られている商品を持ってくる等
- 誰もできないこと:スキルや能力を使い、誰も扱えない商品を持ってくる等
これらのどれかを実行することこそが、商売の起点です。
日本人は先進国の中でもとくに英語が話せない国民といえます。日本人のなかで英語が上手いことが、いまだに就職に有利に働いたり、尊敬を集めたりするのは、この「誰もできないこと」にあてはまりやすいからです。英語が話せないという理由だけで、海外と取引を断念している日本企業はたくさんあります。英語は、良くも悪くも、日本人の多くができない「海外と自由に取引をすること」を支えてくれるツールです。いまでは、中国語もその観点から考えれば、じゅうぶんに価値があるものでしょう。
かつて、中国で天安門事件という民主化運動が起きたことがありました。中国国内の民衆と軍や警察との衝突事件です。とても不安定な時期で、日本からの渡航が自粛されました。その後しばらくして自粛勧告が解除されたときに、まっさきに中国に飛んだのはほかでもない商社マンだったのです。これは何を意味するのでしょうか。
彼らは、政治問題はさておき、目の前にある「価格差」を一瞬でも放っておけなかったのです。