調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 1章(3)-17
現在日本の物流はトラック輸送が主流です。そのためには道路、特に高速道路網が非常に重要な役割を担います。 東北地方整備局地震災害情報(http://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/kisya/saigai/sback/zokuhou1110.htm)のホームページでは、震災発生の14分後である15:00に被害状況確認の一報を発表しています。1時間10分後には具体的な道路の被害状況が報告されています。以降被災地域への物流の要になる道路網の被害状況が、刻々と報告されています。さきにご紹介したページにアップされる情報を、地震直後から追ってゆくと、既に地震発生直後に、被災地域の主要幹線道路の約80%の通行可否状況が確認されています。確認された箇所の実に9割以上で通行ができなくなっています。(44箇所中39箇所)
そして、ここまで確認ができた段階で、大津波津波警報の影響によって、道路の通行可否の確認活動そのものがストップします。これは、復旧活動の前の段階です。これは、大津波警報が注意報へと変わる14日まで続きます。そして、被災地域への物流路の確保を目指した「くしの歯作戦」と呼ばれる道路復旧への取り組みを完了するのは18日のことです。そして、幹線道路以外については、確認すらできていない状況は継続していました。ここでは詳細には触れませんが、福島第一原子力発電所で発生した事故の影響で、運送会社が被災地への輸送を拒否したり、道路状況の確認もできなくなったりといった影響がありました。