調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 1章(2)-11
3)OKワードとNGワード
震災後にサプライヤーへ連絡する際、確認すべき情報と推奨する順番は次の通りです。
①ご本人・ご家族・同僚の安否
②会社(建物、設備)への被害状況
③供給への影響有無
この順番を守って情報確認を行います。電話口で話している、もしくはメールを受け取ったサプライヤー担当者は、その瞬間家族の安否確認すらできていないかもしれません。そのような状況で「うちの部品の納期ですけど」と切り出したら、サプライヤーの担当者はどのように感じるでしょうか。上記①、②を確認し、特に問題なければ、③を切り出します。「現在確認中です」という回答しかもらえないかもしれません。しかし、しっかりとプロセスを経た後であれば、自社への納入確認の言葉もNGワードにはならないはずです。
情報確認に際してあえて一つNGワードを挙げるとすれば「(前の確認と)言っていることが違う」といった相手を攻める言葉です。震災発生によって相手も混乱しています。同じ地域にいたとしても、人によって見るもの聞くもの全て異なります。サプライヤー担当者がバイヤーに、進んでデマを流すことはありません。相手を攻めるよりも、多くの情報のカケラを集めること、そしてなぜ時系列でそのような違いが生まれたのかを調べることが優先される状況であることを心に留めておきましょう。