5章-38:仕組み・組織体制

本書を終えるにあたって

これまで現場で悪戦苦闘した過程のなかからつむいできた、インフラ系企業の調達・購買ノウハウについて書いてきました。本書では、その結果だけを書いているので、ほんらいはその試行錯誤もご紹介したいところです。しかし、それでは書籍になりません。でも、試行錯誤もお伝えしたかった。

なぜかというと、現実に降りかかる問題の、ほぼすべてが、どの書籍にもずばり書いてくれていないものだからです。「この書籍には、こう書いてあるけれど、ちょっとあてはまらない」「似ているけれど、違う。ウチは特殊だから」といった感想をもつことはないでしょうか。私は、むしろ「ウチは特殊ではない」といっているひとを、見たことがありません。全企業は特殊であり没個性なのです。矛盾ではありません。完全に一致するはずなんてないし、完全に特殊なんてこともありません。

私も、一般的に語られている調達・購買ノウハウをもとに、目の前のクライアントにたいする最適解を考えます。しかし、多くの場合、その一般的な手法がそのまま使えるほど甘くはありません。そこで壁にぶつかって、七転八倒して、仮説を無数に考えて、現場をヒアリングしながら「あれでもない、こうでもない」と検証していく。

なによりも重要なのは、考えてみる、ということです。そこに、私がほんとうは試行錯誤もご紹介したかったと書いた意図でもあります。

何よりも、現状を変えなければならないという強い意思をもつこと。そして、そのために何をすべきかを考えること。考え抜くこと。そして、それを実行すること。問題として認識されたことは、すでに手段が提供されています。こう書くとまたもや宗教じみていますが、解決できない問題はそもそもあなたに与えられません。考え抜けば、きっと答えはでてきます。

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