5章-35:仕組み・組織体制
調達関係者に捧げる想い
調達システムは拡大しているのに、部員の気持ちは狭くなり
業務は広がっているのに、一人ひとりの意識は塞がれている
支出金額は大きくなっているのに、取引先との信頼関係は薄くなり
製品の種類はどんどん多くなっているのに、余裕は少ない
オフィスは大きくなっているのに、仕事は小さくなり
働き方改革が叫ばれているのに、自由時間は以前より少ない
知識はいくらでも調べられるのに、知恵は少なく
情報は過多だというのに、決断できないひとが増え
誰もがいつでも学べる環境なのに、SNSで誰もが満足し
労働環境は改善しても、心の病が増えている
資料は枚数を増やしているのに、本質は忘れ去られ
効率化しているはずなのに、疲れはどんどん溜まっていく
何もがすぐに手に入るのに、付加価値だけは手に入らない
コミュニケーションの機会は増えるのに、誰も本音を話さず
CSRの重要性を誰もが語るのに、建前だけが跋扈する
くだらない調達の手法だけが流布して、本質は置いてきぼり
グローバル調達がさかんなのに、身近な喧嘩は絶えず
長期戦略を語る部長が、目の前の人事異動に怯えている
広い視野を、と語る上司は、狭い世界で生きている
エクセルで計算し、事業計画を操ることはできるが、だれも、心からの接触を避けようとする
パソコンの操作で速く業務をこなすことは学んだが、誰も熟考をしようとしない
PDCAが重要だと誰もがいうが、すべての計画はけっきょく、うやむやになって終わる
連携を語り続けるひとが、他部門からの苦情には目をそむけ、取引先にだけ、厳しくあたり続ける
理念とか、目標だとかを振りかざすのが好きなひとが、目の前の部員の幸福をないがしろにして
過去最高益だ、と叫ぶ役員たちの目は死んでいる