5章-26:仕組み・組織体制

調達購買改革は会議改革からはじまる

一つの笑い話があります。以前、某企業でグローバル会議を実施しました。日本人は時間通りに来るのですが、東南アジアの社員はまったく時間通りに集まりません。ただ、終了時には、東南アジアの社員は会議室を出ようとするのですが、日本人はダラダラとまったく終わる気配がありません。では、どちらが時間にルーズといえるでしょうか。会議が悪いのではなく、運営と事前準備が不足している会議が悪いのは間違いありません。会議関連の本を部員に読ませるだけでも効率が圧倒的に違います。

会議のたびに怒りたくなることがあります。それは、意地悪なひとたちの存在です。会議がまとまりそうになったら、いきなり口を開いて、意見を言い出します。それまでに誰も気づかなかった観点なものですから、発言者はしたり顔です。それで会議はフリダシに戻ってしまいます。このテのひとは、私の考えでは、凄そうに見えて害虫であるケースがほとんどです。なぜならば、「会議は議長が決めるのではなく、一人ひとりが決めるのだ」と当然の気持ちを持っていないからです。

会議は参加者と主催者がいるのではありません。全員が決定事項を導く場です。その気持を共有しておらず、「お客様」に徹する参加者などほとんど存在意義がありません。ところで、私がこれまで会議に参加してきて、有効だった施策を三つほどお話します。「調達購買改革は会議改革からはじまる」とは大袈裟かもしれません。でも、社内外との折衝機会の多い調達・購買部員ですから、会議効率化の手法を知っておく価値はあるでしょう。

一つ目は、さきほど書いたとおり、全員に主体的に参加してもらうことです。会議の冒頭で、こういうと有効です。「私たちが決めるのであって、一人ひとりに責任があると思って発言してください。会議の最後になって、ひっくり返す発言をして、何も決まらないのはそのひとの責任です。だから会議中には積極的、建設的に発言してください」と。これでだいぶ変わります。

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