5章-21:仕組み・組織体制
ただ、これだけでは十分ではありません。というのも、重大な仕事であれば、別にずっと費やしていてもかまわないからです。そこで、次に、この業務を評価する必要があります。それが、図でいうところの、「VA」「BVA」「NVA」分類です。
- VA(Value Added):付加価値を生む業務。「見積依頼先選定」「過去類似品の発注実績の調査・入力」「折衝」等
- BVA(Business Value Added):付加価値は生まないもののビジネス上、必要な業務。「見積依頼書印刷」「見積依頼書FAX」「検収原票印刷」「SAP入力処理」等
- NVA(Non Value Added):付加価値を生まず本来は必要ない業務。「請求票の修正作業」「見積書・仕様書の差し戻し」等
と定義できます。これをそれぞれの業務について○をつけていきます。
問題は、それぞれの業務に○をつけようとすると、ほとんどが、VAに分類されることです。考えてみれば当然で、自分が現在やっている業務がムダであると誰も認めたがりません。それは自分の職業的人生がムダと定義するようなものです。どんなに高貴な社員でもその傾向が見られます。ですから、この○付けは上司がやったほうがいいでしょう。
そして、何が組織にとって「VA」「BVA」「NVA」になるか基準は必要です。しかし、厳密な定義などできるはずはありません。ですので、基準はあるていど、曖昧にならざるをえません。それは必然です。それをあれこれと検討しようとするのは無意味です。この段階で知りたいのは、おおまかな傾向です。したがって、最後は、「適当でもいいから決めろ」といっておきます。