5章-9:仕組み・組織体制
1.発注額と取引先依存度の関係
これは取引先の状況を二軸で示すものです。工事の種類ごとにわけて準備します。横軸に、自社が取引先に発注している金額、そして縦軸は取引先の売上高に占めるその比率です。これはかなりのインパクトがあります。
たとえば、こちらは多額の発注をしている認識でも、彼らからすると、ほとんど売上高の比率を占めていないケースがあります。このような場合、その取引先を「最重要取引先」と認識していても、彼らはこちらを重要顧客と思っていないかもしれません。戦略上の最優先パートナーと考えても、将来は追随してくれないかもしれません。
そのようなとき、一つの手段は、代替取引先を探すことです。あるいは、もう一つは、もっと発注額を増やして訴求することかもしれません。
また逆はどうでしょうか。発注額はさほど大きくないにもかかわらず、取引先からすればその依存度は非常に大きいとします。すると、彼らの仕事を切るのは、すなわち死刑宣告に近い可能性があります。
その場合は、中長期的に撤退する予定を立てるのか、あるいは、逆に一定額を与え続けることで、より意識的に自社向け技術を開発してもらうべきかもしれません。すなわち、これが戦略といえるものです。
細部まで語るのが重要です。しかし、少なくとも、意識をあわせ、軌を一にすることで、調達・購買部門と現業部門の大きな青地図を合意することがより重要です。