5章-33:仕組み・組織体制

私は、調達・購買施策がカタカナに支配されることを嫌います。「なんたらソーシング」とか、「ITなんたら」とか「なんたらマネジメント」とか、ほんとうにくだらない、と思います。

ITを使った調達・購買なんかより、非効率的だっていい。もっと現場を見て、パフォーマンスを廃し、本質をとらえる調達・購買部門がいい。私は地道な見積り査定や、地道な工場監査ができないくせに、何がITだ、と思ってしまうのであります。おそらく、もう少しすれば、行き過ぎた効率化の反動がくるでしょう。おそらく、それは宿命なのです。

そこで、前述の某社に訊いてみました。どうしたら、現場に根ざした調達・購買部門ができるのか、と。お答えは単純でした。「当然のことをさせたまで」だと。

見積りで疑問があったら、わかるまで調べる。交渉過程でわからないことがあれば、わかるまで質問する。さらにわからないことがあれば、わかるまで勉強する……。調達・購買はABCといいます。アタリマエのことを、バカになって、チャントやる。このABCです。

笑うところではありません。実は、私はこのことをずっと述べてきたのです。つまり、新たなトレンドに流される必要はない。重要なのは、ただただ粛々と、自分たちに必要な施策をやり続けるだけだ、と。

あらためて気づきました。ABCこそが、「地に足の着いた調達・購買部門を作る」ということに。組織の細かな設定とか設計よりも、はるかにそちらを強調しておきたいのです。

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