5章-8:仕組み・組織体制
現業部門との定期的打ち合わせ
以前にも触れたとおり、調達・購買部門と現業部門との定期的な連絡会を私は勧めます。同床異夢が起きないようにするためです。
話を変えるようですが、ある企業では、営業パーソンに定期的に、客先へ出向くことを義務付けています。私は「なんと非効率的だ」と思いました。用事もないのに、客先へ出向いても時間の無駄にしかなりません。先方の調達・購買担当者も可愛そうです。
しかし、私は実態を知ると、考えの変更を余儀なくされました。というのも、ほんとうにまったく意味もなくアポイントをとることはできません。「なんのために来るのですか?」「顔見せです」では、断られるのは当然です。だから、何か、アポイントをとるための口実を考えねばならない。しかも、定期的に行かねばならないのですから、客先に役立つ情報を提供しなければなりません。そうすると、日ごろから、勝手に客先のことを考えるようになるといいます。自社が新製品や新工法を発売する際に、これをいかに既存顧客に役立ててもらえるかを意識せざるを得ません。そうやって、営業パーソンが自発的に活動しはじめます。
そうやって客先に行けば、「そういえば、別件だけれど……」と、客先の調達・購買部員や現業部員から相談を受ける機会も増えます。なるほど、なかなか、考えられた営業戦術だったというわけです。
話を戻します。
調達・購買部門も、現業部門と定期的な打ち合わせを勧めるといいました。では、ネタはなんにするか。たとえば月に一回、時間を拘束するとすれば、「やあ、今日は何を話しましょうか」では誰も集まってくれないでしょう。そのときに必死に議題を考えるはずです。
とはいえ、一般論として、現業部門と話し合うに値するトピックスをいくつか提示しておきます。