2章-9:インフラ系調達・購買のコスト分析

さらに、取引先の決算書をあわせると、多層的な分析が可能です。これはあくまで一つの例ですが、第一象限から第四象限まであったとします。横軸は、利益の多さです。そして、縦軸は原価の多寡です。さらに、その縦軸の意味として、工事そのものの原価が低いのと、販売費及び一般管理費の低さがあるとします。

そこで見ると、「工事原価が低い」さらに「販売費及び一般管理費が低い」第一象限の取引先は、もっとも交渉しやすい相手となるでしょう。余裕があるためです。これは異論があるかもしれません。その低コストは取引先の努力によるものであり、こちらが刈り取る対象ではないためです。しかし、実務的には交渉のやりやすさは欠かせません。

そして、第四象限は、「工事原価が高い」さらに「販売費及び一般管理費が高い」ところとなります。ここの取引先は、もちろん、中長期的には指導の対象となるでしょう。しかし、交渉で値下げすると、経営危機に陥りかねません。もっとも注意すべき対象です。

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