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<雑感>
昔から行なっている仕事のやり方を変えるときは困難がつきまといます。背広にまとわりつく煙草の臭いのように、それを払拭することはなかなか難しいものです。
見積り依頼時に、「これ100個から3,000円となっているけれど、10個だったらどうなるの?」とはなかなか言い出しにくい。それは、10個であればどうせ高くなるだろうという予想があるため、あえて高く価格提示させる必要性はないという思惑もあるのでしょう。
しかしそれでもなお、私は最初にできる限りの懸念点をつぶしこむことが重要だと思っています。それは、本文で書いたような事後のトラブルをなくすためでもありますし、加えて懸念点をつぶしこむことができなければ、そもそもそのサプライヤーと取引をしないという選択肢だってあるからです。
お互いの要求をぶつけあって、妥協点を探すことはもちろん必要なプロセスでしょう。ただし、取引をしない方が両社にとってマシなことがたくさんあるのではないですか。よく同じサプライヤーとトラブルばか引き起こしているバイヤーを見ますが、あれは一体何なのだろう。そんなに不平不満ばかりであれば、いっそうのこと取引を止めれば良いのに。
当然、「残念ながら、取引するのは止めましょう」と言うときは違うカードを持っている必要があります。手持ちの代替カード(代替サプライヤー)がなければ、交渉では弱くならざるをえません。ゆえに、一部の優良企業では、リスク回避というお題目を掲げ分散調達を進めてきました。
とすれば、金銭の供給元を一つの企業に依存しているサラリーマンは最も弱い立場ということもできます。代替カードがないから、不当な評価をされても泣き寝入りするしかないのです。
バイヤーとしてスキルアップし、他社から声がかかるようになったら、言ってみてはどうでしょうか?
「課長、本日から私はこの会社と取引するのを止めにします!」
決して転職を勧めているわけではないので、誤解なきように。