6-(1)-3 RFx

(2)相互誤解の回避

目標価格が2,500円だったところ、2,000円で見積りを提示したところがありました。他のサプライヤーより30%以上安い見積りです。時間もなかったので、設計者には「そこと話を進めてくれ」と伝えたところ、翌々月に持ってきた見積りは「\4,000-」。「いやあ、あれはウチの標準品を使ったときの値段ですよ。どうしてもダメだってね。だから、カスタマイズするんで、倍くらいになっちゃうかなあ」と。猛烈に抗議したものの、「あんたねえ(私のこと)、こっちはそういう提案で2,000円だったんですよ。それが変われば値段も変わるでしょうが」と。結局は細部を確認しなかった私が悪かっただけのことです。確認もせずに、発注を決めたわけなので、これはサプライヤーの値上げというよりも誤解に基づくミスというべきでしょう。と落ち込んでいると、「ちなみに、これに伴って開発費が発生してねえ。だいたい4百万円くらいかなあ」と追い討ちをかけられました。

ここで私が言いたいのは「RFxは進化する」ということです。いや、進化させていくべきものと言ったほうが良いでしょう。それまでの経験を活かし、同じ過ちを繰り返さないようにすることと、サプライヤーにも下手に誤魔化そうとさせないこと。いつも同じトラブルに苛まれている人がいますが、それは当初の条件合意がまずいままだと言わざるを得ません。

RFxで入手する項目を難しい言葉で固めた本もありますが、私はそのようなことの有効性はほとんど感じません。それらは、各種の情報を入手すること自体を自己目的化してしまい、長続きもしないからです。どうすればスムーズな取引が可能かを自分で考え、RFxに盛り込み進化させていく方がずっとバイヤーにとって役に立ちます。

無理な要求でも構いません。明確にしていれば、それには応じられないサプライヤーも明確になり、ずっと早い段階から妥協点を探すこともできます。あとでトラブルになるよりもずっと気持ちが良いものです。

さあ、今日はどういう条件を突きつけますか。

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