調達原論2【20回目一歩進んだ調達業務改善】工場指摘論
調達・購買担当者がサプライヤ工場に出向き、視察を行う。そのとき、目的を明確に伝えているだろうか。監査、コスト削減のネタ探し、品質確認、ひまつぶし。漠然ではなく、先方にも目的意識をもってもらおう。
基本は、材料の投入から出荷までを見る。そこで、まずは調達品在庫に何日分あるか確認しよう。その日のぶんだけなら美しいが、数日、あるいは数週間ぶんをもっているサプライヤもいる。仕入れ単位に融通がきかずに、どうしてもまとめ調達している。そんなときは、工程よりも、調達支援が効く。
そして加工工程だ。単純に、製品が機械か作業者に触れていない時間はムダと考えられる。材料が機械にセットされ、加工がはじまる。機械はモノに触れているが、その際、作業者は不稼働ではないだろうか。他製品の段取りや多台もちができないだろうか。
また、製品をセットする際に、目で置き位置を確認していないだろうか。そうやって“あわせる”のではなく、治具に“あてる”ことでセットできないだろうか。そうすれば、早く機械を稼働できるようになる。
可能ならば、サプライヤの製造原価明細書を入手しておこう。損益計算書の製造原価の内訳を示している。そうすれば、原材料、労務費、外注費、経費(減価償却費等)の、比率がわかるはずだ。もちろん比率が高いところから注目していき、改善点を模索していく。
そして可能なら同業者のサプライヤにも出向き、それぞれの工場の良し悪しを把握する。地道の先にしか、けっきょく調達の革新はないと私は信じている。