調達原論【10回目】マトリクス分析

コスト削減の対象品目を絞ったあと、具体的な戦術レベルを構築せねばならない。その際に使えるのはマトリクス分析だ。これは、該当品目におけるサプライヤが多いか少ないか、単価が高いか低いかで分類する。すると四つの分類が完成する。それぞれにあった施策を模索していく。

  • 戦略部品:サプライヤが少なく、高額部品ゾーン。おそらく技術的難易度も高いと予想される。短期的ではなく、中長期的に代替サプライヤを模索したり、特定サプライヤと協業したりして目標コスト達成を目論む。
  • 競争部品:サプライヤが多く、高額部品ゾーン。サプライヤ間の競争が実施できると予想される。競争を徹底することでさらに安価な価格を引き出す。
  • ボトルネック部品:サプライヤも少なく、かつ低額ゾーン。技術的難易度が高いため、調達を第一と考える。
  • 汎用部品:サプライヤが多く、低額ゾーン。競争部品のように競合を徹底することにくわえ、他の品目とあわせて発注したり、標準化したりして、コスト削減を目指す。

これらは、戦術の一案にすぎない。重要なのは、コスト削減策は一様ではなく、品目特性におうじて変えていくと認識することだ。コスト削減は結局のところ、引き出しの多さで成果が決まる。机を叩いて交渉だけする時代は終わっている。それでも机を叩いて交渉をするのであれば、そのひとの人件費を使って、机を叩く外国人労働者を何人か雇ったほうが雇用創出に有効だろう。

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