4章-16 モチベーションゼロの仕事術

【⑤精神編】

1.質問を変える

笑い話がある。「野球選手がエラーをしないためにはどうすればいいか」。答え「試合に出ない」。このように、「ない」と否定形を使う答えは使用しない。それは答えになりえないからだ。

たとえば、「仕事がつまらない、どうしよう、どうしよう」と悩んだとき、「たとえば、こんなくだらないことがある」「あの上司も最低だ」「自分の仕事を評価してもらえない」と次々と不平不満が頭のなかを巡りだす。そのときに、どうせ何をやったってダメだからと、「仕事をしない」ことを答えにしてはいけない。「なぜこんなに仕事はつまらないだろう」という質問から、すべて「どうやったら、仕事が面白くなるんだろう」に変換するのだ。

これはささいなことに思えるかもしれないけれど、非常に大切な変換だ。よく、「仕事が面白くないのですが、どうすればいいのでしょうか」と質問するひとがいる。その問いは、仕事=つまらない、であり、対処法=つまらない仕事をやりすごす方法、とあらかじめ規定されている。これでは、質問自体の意味がない。それに、そんな質問を受けたほうも気が滅入ってしまうだろう。

そのようなときは、「どうすれば、この仕事が面白くなるのか考えているんですが、相談に乗ってもらえますか」に変換する。この問いの場合は、仕事=面白くなる可能性に満ちており、対処法=仕事を愉しくする積極的な方法、とあらかじめ規定されることになる。

また、「ダメだ、ダメだ。どうしようもない」と考えてしまい、ある種の不安にさいなまれることがある。私は、この絶望や不安というものを否定したくない。それらの感情は自然で、その感情をもってしまう自分に、無理やりポジティブシンキング思考を注入したくないからだ。

必要なのは、そのような感情が浮かぶことを肯定したうえで、「ダメでも、絶望的でも、どうしようもなくてもいいから、何かすべきことはないかなあ」と問うことだ。もちろん、状況は一変しないかもしれない。諦観をもったうえで、ただそれでもなお、現状を静かに見つめ、未来への施策を考える。

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