3章-6 モチベーションゼロの仕事術

  • 身長・170cm、体重・68Kg
  • 年収・400万円で、預金はゼロ。
  • 自宅・大久保の駅から徒歩で10分の1LDKのマンション。大学時代から住み続けている。
  • 読書・ブレイクマックス、CIRCUS、ザ・ベストMAGAGIZE、自己啓発書
  • 趣味・キャバクラ、ブログの更新

 

いっぽうのビは、機械メーカーで働くサラリーマンだ。仕事は調達・購買部門に属している。最近は大久保の1時間3000円のキャバクラに通ってお金がなくなり、2年に一度の賃貸契約更新手続きに怯えている。

作業着で働くことが多く、スーツのクリーニングは二ヶ月に一度しか出さないので、夏物と冬物の2着しかもっていない。先日、大久保のキャバクラ嬢が、焼酎をビのズボンにこぼしてしまったが、ビはその程度でクリーニングに出すことをまだ躊躇している。

金とビは、同じ大学の経済学部を卒業した。金が就職したのは無名の外資系石油会社、ビはそれなりに名の通ったメーカーだったが、金の会社が圧倒的に給料が高いことを知るのは、ビがずっとあとになってからのことだった。二人とも今年で30歳になる。前者のモットーは「生きることは稼ぐこと」に対して、後者のモットーは「やりがいをもって元気に働こう」だった。この「やりがい」という言葉、ビに特徴的な言葉なので、覚えておく必要がある。また、「元気」とは、元気がでない仕事を隠蔽し鼓舞するときに使われる便利な言葉なので、これも覚えておく必要があるだろう。

二人は、仕事が同じこともあって、異業種勉強会で会うことがある。そこで、二人は情報を交換する。仕事では、二人とも調達・購買業務に従業しているため、話は通じる。しかし、仕事にたいする姿勢の話題になると、あまり合致しない。

「最近は原材料の値上がりばっかりでやる気が起きないよな」とビがいう。「そうかあ。制約のなかで仕事をこなすのがプロだろ」と金がいう。

「昔は周囲に優秀な先輩に囲まれていたんだけど、いまはレベルの低い社員しかいなくてモチベーションの維持が難しいよ」とビがいう。「そうかあ。それならたんたんとやっとけば評価されるからいいじゃないか」と金がいう。

「ウチの事業部の業績が悪くて、がんばっても給料があがらないんだ」とビがいう。「そうかあ。外資系なんて撤退もありうるからもっとドラスティックだよ。右肩上がりじゃなく、横ばいも想定して働けばいいんじゃないか。仕事があるだけラッキーだよ」と金がいう。

「俺って、ほかにやるべきことがあるんじゃないかと思うことがあるよ」とビがいう。「そうかあ。外資系だって、価値が出るのは一つの仕事のエキスパートだよ」と金がいう。

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