3章-5 モチベーションゼロの仕事術

【二幕】・仕事と「なまくら」

 

出勤しながら、こう考えた。

会社で知識をひけらかすと「生意気だ」といわれる。取引先に同情すると、上司からは「お前はどっちの会社の人間だ」と怒られる。主義主張を持つと、変人扱いだ。とかくに会社は住みにくい。

目標や夢が高じると、転職しかなくなる。どこへ転職しても悩みは尽きないと悟らねば、会社を変わり続け、履歴書がにぎやかになる。

会社にあふれるものは神でもなければ鬼でもない。嫉妬にまみれ、「ほんとうの自分」なるものを探し続けるただのひとである。ただのひとが作った会社が住みにくいからとて、移る会社はあるまい。あれば起業するだけだ。ただ、そんな理由で起業しても、会社よりもなお住みにくかろう。

それにしても、会社の住人たちには、栄える者と貧しき者がいる。

前者を金(マルキン)、後者をビ(マルビ)と呼ぼう。

  • 身長・175cm、体重・64Kg
  • 年収・今年1000万円になった。2000万円の預金がある。独身。
  • 自宅・六本木一丁目の1LDKのマンション
  • 読書・プレジデント、乾くるみ
  • 趣味・外食、ジム

 

金は、外資系石油会社に勤めるサラリーマンだ。仕事は調達・購買部門に属している。最近の口癖は「ボーナスが8ヶ月ぶんしかでなかったよ。ああ、バブル期の先輩が羨ましいよ」だ。会社から支給された携帯電話がブラックベリーではなく、ギャラクシーになったのが最近の自慢だ。もちろん、六本木のキャバクラ嬢にも会社支給の電話から電話をするが、「誰もがやっていること」なのでとくにやましい気持ちもない。

ただし、金は会社に頼るつもりもなく、会社を使ってやろうという気持ちにあふれている。

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