4-5.ソーシング ~どん底からの逆転ホームラン 「バイヤーはすごい買い方の実践で会社の顔になってみろ」~

「上手くいくかな?」

 

「わかりません。だけど言うべきです。当たり前のことを言うんです。」

 

私はそういって机に戻ると「いかに購買推奨サプライヤを選定できなかったゆえに損をしたか」という資料を作りはじめた。もちろん、こういうことを言い出せば設計部門からは多くの意見が出されるだろう。

 

「購買なのにモノを知ら奴らがたくさんいる。そういう奴らに、サプライヤ選定などできるか」と苦言も出るだろう。

 

「だけど、それはそれでいい」と思った。

 

そんな反論に簡単に論駁されるバイヤーであれば、いないほうがマシだ。これは言い過ぎかもしれない。ただ、少なくとも、購買部員に対して、本来の当たり前の役割を果たすためにどれだけのマインドと知識が必要か、という意識付けはできる。この過程の中で、設計者の意見を聞くだけで、実は相見積りも取らず、コストの分析もせず、製品知識もほとんどない購買部員の存在が明らかになってくるだろう。

 

しかし繰り返し、「だけど、それはそれでいい」と思った。当たり前のことを周知徹底させて何が悪いか。そのためには劇薬が必要だ。そして、ショックのあとにこそ、購買部員は一人の自立したプロフェッショナルなバイヤーとして、社内外で自分の論理を武器にして戦えるようになる。購買は絶望から始めてみろ!!

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