2-5.購買分析 ~赤鉛筆購買から黒鉛筆購買へ 「新しい購買の超コスト分析法」~

「どういうことだ」

 

「会社全体の資材比率の話と関係しますが、本当に報告会で言われていることが正しければ、もっとコストダウンの効果があってもいいはずです。でもそうじゃない。ということは考えられることは、一つ。ある製品を安い代替品にすることで、他の部品が上がっているんです」「そんなことはないだろう」

 

「もちろん言いすぎなところもあります。だけど、今までの購買部のコスト評価のあり方というのは、同じものが単純に下がったときと、バイヤーが自ら報告してくるある製品を代替品にすることでのコスト効果しか見てきませんでした」

 

「よく分からないが・・・」

 

「つまりこういうことです。A という製品をB という製品に代えた。そのとき下がっているなら、バイヤーは『コスト効果があった』としてコストダウンにカウントしていた。だけど、A という製品をB という製品に代えて、コストがアップした際は誰も申告しないので、コストアップしているという事実が分からなかったんです。だって、決済するとき各課長だって分かんないでしょう。だから、コストのトータルを見るべきだと思うんです」

 

「なんとなく分かるが・・・。具体的に何をしろっていうんだ?」

 

「これも単純です。各部品じゃなくて、ユニット単位でコスト管理するようにすればいい」

 

「いや・・・そういうことは設計が計算するんだ」

 

「だから、そういうトータルのコストを見るのが購買なんですって。本当にコストをトータルで見れば、安くなっているのか高くなっているのかなんて分かるじゃないですか。どうしても設計がやるというのであれば、購買から人間を送り出してもいい。そうすれば最初の話にもつながりますが、どうやったら本当のコストが下がるかを部員が考えるようになりますよ。しかも、トータルのコストをウチの競合他社と比べてみるなんてこともあるかもしれません。そうやって購買が全社のコストの見張り役になっていくんです」

 

「今の部員にできるかな」

 

「できないでしょう。多分」

 

「できない?じゃぁ、なんでやるんだよ」

 

「そりゃできないですよ。今まで購買がやってきたことは、購買内でのマスターベーションですから。でも最初はやれなくてもやるんです。そうしないと、いつまでもできない。いつまでも設計者から『この見積りとってよ』って言われて下請け業務みたいなことをしていてはいけませんよ」

 

「・・・。下請けか・・・」

 

「部長、実は設計の管理課の木嶋課長にはこの話をもうしてあるんです。ちょっと一緒に行って話に加わってくれませんか?」

 

「もうしてある?」

 

「そうです。設計からしても、トータルのコストを下げる活動なら大歓迎だって言ってくれているんです。やるなら購買変革のプロジェクトも始まった今ですよ」

 

そう言って私は木嶋課長のもとに電話をかけ、「今から行ってもよいですか?」と尋ねた。改革には多少の強引さも必要だ――。そう思いながら私は自分に言い聞かせた。部員を今のまま赤えんぴつバイヤーでい続けさせて良いわけがない。そういう想いを心に秘めて。

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