1-3.購買調達戦略 ~戦略なき者は去れ 「新しい購買のシンプル戦略立案」~

たしかに、戦略の構築とはMBA や暇人の余興として消費されたきらいがあった。あるいは、「当社の今年の目標は、資材調達費を10%削減することだ」、という目標なんだか戦略なんだかよくわからない言葉が横行してきた。一方では、高尚なサプライチェーンマネジメント戦略打ち立て、あまりにも「高尚」がゆえに、コンサルティング会社を設けさせるだけの企業が沢山いた。これだけの千の否定を聞いた後に、肯定をすることができるというのだろうか。

 

私の意見を言うことができれば、簡単だ。「それでも戦略は必要だ。それは、会社など関係なく、ロジカルに戦略的思考を組み立てることができるビジネスパーソンとしての価値が上がるからだ」あくまでも自分と言う立場のみに立った、エゴイスティックでありながら、誰にも論駁できないロジックを持ったバイヤーになることのみが必要なのだ。そして、逆説的にそういうバイヤーの集まりとしての購買部が最も強いのだ。目の前の業務に追われることもなくなるのだ。短期的な利益に目も奪われず、広く真の利益を上げることに寄与できる集団になっていくのだ。卑近な例だが、私の知人でもバイヤーで有名外資系に転職できるのは、次の質問に即答できる人間だ。

(1)チームでなく、組織でなく、あなた個人の業績を教えてください

(2)あなたしかできなかったことを教えてください

(3)あなたの工夫を教えてくださいこれも日々戦略的購買業務を考えている人間には簡単なのだ。

・図々しくても自分の理想を描くこと(「あるべき姿」)

・現状を把握すること

・その現状から、理想に向かって、どのような施策を打つかを決めること

・その施策が効くか見極めることこういうことを考えるだけでいいのだ。

 

英語も、些細な資格も必要ないのだ。少なくとも、周りの例から、私はこの程度だけでも希少価値があることを確信している。そして繰り返すが、こういう個人戦略を確固たるものにしたバイヤーの集団が購買部として最もバーゲニングパワーを持っているのだ。バイヤーという1個人ではなく、購買部という組織に話を戻すならば、購買戦略とは、一言でいえば「この製品は今後○○社から購入する」と決定することだ。

 

2~3社のサプライヤ候補を立てて、競合させながらその中から購入メーカーを決定することだ。しかし、その2~3社が、その分野の製品全てに対して安価であることはありえない。例えば、IC・半導体を購入するとき、3社を戦略購買メーカーと位置付けたとしても、その3社のみが最安値であり続けることはありえない。それじゃぁ、安ければ戦略購買メーカー以外からも買うのか?安くても買わないのか?それはなぜか?それは普遍的な理由か?数値で語れるのか?

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