0-4.はじめに ~ある中堅バイヤーの挑戦 「お前が世界一の購買部を作ってみろ」 ~

・ まず、購買部自体を変革しなければいけないのではないか、ということ。

・ 強いバーゲニングパワーを持った購買部を作ろうとすれば、システムではなく、まず購買部一人一人が変わらなくてはいけないということ。

・ 一人一人のマインドと、業務のやり方を変えなければいけないのだ、ということ。

・ そして現状では、購買部の皆は、自発的にそういうことをすることは無理であろうということ。

・ そしてその結果、アメリカなどと比べると数段遅れをとっていること。

・ 世界中が進歩している中、購買部だけは進化の兆しすら見せていないということ。

・ 外国では購買の変革を通じて、企業価値を高めようという発想すらあること。

 

「おいおい」。気を取り戻した部長は、そういって何度も私の言葉をさえぎろうとしたのだが、私は止めなかった。「もうちょっとですから。それに、このことはウソではありませんよ」。私は引き続き、購買部の問題点を次々に述べた。購買を変えることは、会社をもっと伸ばすスタートですよ、とも。こういうことを数分間に渡って話し続けたあと、社長が怒るのではないかと私は内心びくびくしていた。

 

しかし、社長の口から出てきた言葉は、私と部長の予想を裏切るものであった。「それ面白いね。購買部を変えるべきだってことには、今まで気付かなかった。たしかに、効果があるかもしれないなぁ。『購買が会社を変える』か。確かに、いままで手をつけていなかった分野だもんなぁ」ふうん、と頷いた後、社長は再度話し出した。

 

「ところで・・・君は今の購買部員が自発的に変えることはできないと言ったけど、君には、それができるの?たいていこういうものは言いだしっぺがやらなきゃいけないことになっているんだけどな」私はとっさに答えるしかなかった。「できます」社長も即答した。「じゃぁ、やってよ。俺も力を貸すからさ」社長は笑い、「思いつきで話すが」と前置きをした後に、いくつかの業務指示を下した。

 

・ 具体的テーマを10 個ほど決め、それぞれについて現状分析と施策を立案すること。

・ 私をプロジェクトのリーダーとして任命し、部長の力を借りることができるように部付とすること。

・ 何ヶ月かに一回は社長に進捗を報告すること。

・ 社長から見ても「購買が変わった。会社が変わった」と思えるくらいの大きな成果を必ず上げること。いつの間にか私は、購買部内の若きリーダーとして、変革を任されることになったのだった。

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