9-7再構築が必要な人口減少時代の日本における調達・購買機能
人口減少時代の日本では、将来に備えた人材マネジメントが必要です。サプライヤーの変化も理解して適切なサプライヤー選定に備えます。
☆調達購買部門の人口減少リスク対策
どんな企業でも事業の将来性を予測できません。しかし人口問題の影響で生じる人手不足は、どんな企業も直面する予見可能な問題です。国立社会保障・人口問題研究所が示す2020年の人口ピラミッドを参照すると、生産年齢人口の減少傾向は続きます。
世代別の人口をみてみると第二次ベビーブーム世代の40歳代後半は男女とも100万人です。30歳前後の世代になると男女とも60万人まで減少し、近年の年少人口は男女とも50万人を切っています。
どんな企業でも現在の事業規模を維持するのに、同じ規模の人員を確保するのか。それとも一人あたりの生産性を高め、人員規模の縮小に対応するかの選択を迫られるのです。
☆事業継続可能なサプライヤー判別法
人口減少による人手不足は、サプライヤー評価手法にも影響をおよぼしています。近年業績のよい企業ほど、社屋とくにオフィスの建物を新築しています。
サプライヤー-の付加価値の源泉は工場であり、従来付加価値を生まないオフィスを新築しても意味がないとの評価が一般的でした。しかし近年若年層の採用は、面接する会議室やオフィスも重要です。労働者から選ばれる企業になるために、事務所やオフィスに投資をしているのです。事業継続には人的資源の維持によるノウハウの継承が必須です。今やオフィス新築は、人材採用の積極性を示すサインなのです。
☆人員負荷の少ないサプライチェーン構築を目指せ
事業を継続させるため、あらゆる部門における生産性向上の取り組みが不可欠です。調達購買部門でもバイヤー1人あたりの購買額や購買アイテム数、注文書の発行枚数といった数値を目安に、一人あたりの業務処理量の拡大に取り組みます。
まず現行プロセスのムリ・ムダの排除から始めます。いきなりRPAやシステム導入や刷新するのではなく、まずは現行業務プロセスの非効率性を排除します。非効率性を排除すれば、人員をコアプロセスに集中しテクノロジーを駆使した、更なる効率化の取り組みへと進化可能です。