6-5高いのか、安いのかを判断する目安 ~コストテーブル

見積金額をチェックする根拠がコストテーブルです。購入価格へバイヤーの感度を上げるため必要な資料です。コストテーブルの効果を理解し日々の業務に役立てましょう。

☆コストテーブルとは何か

コストテーブルは購入品に関する価格の「目安」を示します。見積金額を評価する場合、サプライヤーに対し決まって「高い」と主張するのではなく、根拠あるコメントするために必要です。

コストテーブルはバイヤーが作成します。作成する過程でさまざまな疑問が浮かぶでしょう。疑問を解消する取り組みが価格感度アップにつながります。パソコンの表計算ソフトを活用しコストテーブルを作成すればさまざまな分析が可能です。

☆コストを決定する「キーファクター」

購入価格の妥当性証明には、大きく2つの方法があります。1つ目は競合見積によって、複数のサプライヤーの見積を比較しもっとも条件の良いサプライヤーへ発注する方法。2つ目は1社見積でも見積金額の妥当性を証明する方法。後者の場合コストテーブルは不可欠です。

モノやサービスの価格には必ず根拠が存在します。原材料は市場価格の影響を大きく受けます。バイヤーがコストテーブルを作成する際、市況価格が購入価格に反映されるまでのプロセスを理解すれば、妥当性のある価格算出に近づきます。

一方さまざまな原材料を合わせ構成された製品にもコストテーブルは活用可能です。価格を決める要因を「キーファクター」として見つけます。「キーファクター」は購入仕様書や見積書に明記されています。重量であったり容積であったり出力であったりといった「数値」で表されます。コストテーブルはキーファクターに加え数量背景や発注頻度といった要素を加えるとより精度が高まり、活用の幅が広がります。

☆コストテーブルの目的

コストテーブルは見積金額の妥当性を判断する目的以外にも活用可能です。見積依頼の前、キーファクターによって想定価格を算出しましょう。重要なのは価格を算出した「根拠」です。

見積金額が、バイヤーが算出した価格と異なっていた場合、大きなチャンスです。新たな要素が購入価格へ影響しているかもしれません。バイヤーが考慮していなかった要素が新たに発見できるかもしれません。コストテーブルは見積を入手した後にだけ活用するのでなく、見積入手前にも活用すればバイヤーの価格感度が高まる効果をもっているのです。(牧野直哉)

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