4-2買い方を理解する ~自社の仕組みを味方につけるコツ~
購買するとき、具体的にどんな方法で購入するか。購入品はさまざまな条件の下で納入されています。自社の購買の仕組みをバイヤーがしっかり理解します。
☆購入時に設定されるさまざまな条件
企業における購買では、次のような条件を一つひとつ決めて行います。
① 仕様
② 数量
③ 納期
④ 受領条件
⑤ 保証条件
⑥ 支払い条件
それぞれの条件について、「どの部門で」「いつ(時期)決定されるか」を、購入プロセス全体として理解します。上記をまとめて「購入条件」と呼びます。
☆購入条件の特徴
購入条件に必要な、上記①~⑥の項目には、次の2つの特徴があります。
・購入の都度設定される条件…上記①~③に該当
・同じサプライヤーから購入する場合一括で条件設定:上記④~⑥に該当
必要とする製品や、数量、時期は、自社の受注状況によって変化します。しかし「受領」「保証」「支払い」などについては、製品ごとではなく、サプライヤーごとに一括で条件設定が可能です。この3つの条件をまとめてバイヤー企業とサプライヤーの包括的な契約とし、注文書の裏面に記載(裏面約款)したり、取引基本契約としたりします。
この包括的な契約内容は、一度締結すると内容を変更する(とくにバイヤー企業側に有利にする)のは困難です。また長期間内容を変更していないため、バイヤーだけでなくサプライヤーも契約内容を理解していないケースも見受けられます。取引基本契約を締結している場合、一度契約書を読み、主旨を理解します。
☆取引条件のミスマッチを解消する
バイヤーは、必要な製品を、必要な時期に、必要な数量だけ購入する責任があります。購入に際して取引条件をサプライヤーの順守が必要です。
サプライヤーとの間に発生するさまざまな問題は、この購入条件のミスマッチによって発生します。サプライヤーの言い分から、購入条件とミスマッチが起きている内容を理解する上で、自社の取引条件の理解は欠かせません。
取引のミスマッチを防ぐためには、購入条件の各項目で詳細なルールを事細かに明記した要領書を準備し、サプライヤーと一緒に確認することが効果的です。