2-10 スキルアップさせる力 ~教育力~
バイヤーとして生き残るために必要なスキルは積極的に伸ばさなければなりません。周囲を巻きこんで効率的にスキルアップする勉強会の開催を提案します。
☆勉強会開催の利点
勉強会は、職場や職種の同僚を集めて開催します。2人が集まれば開催できます。勉強会開催で重要なのは自分が主催者になる点です。主催者にとして自分で興味をもった、知りたい内容をテーマとして選定し開催します。
勉強会は「継続」が自分と周囲のスキルを獲得する上でもっとも重要です。同じ職場の同僚であれば、予定の調整が比較的容易なはずです。業務繁忙のタイミングも同じになる可能性が高く、開催タイミングも無理なく合わせやすいはずです。
勉強会のスタイルは、社外の研修のような一方的な講義形式ではなく、参加者が皆同じテーマに取り組み発表して、お互いにコメントする方法がいいでしょう。主催者も参加者と同じように課題・テーマに取り組みます。主催者には勉強会に必要な本を読み課題に取り組む強制力が生まれます。開催日は事前に決まっているはずです。開催日を目標に課題作成を間に合わせやり遂げる「締め切り効果」も期待できます。主催者の利点は、勉強するテーマもスピードもコントロールできる点です。
☆おすすめテーマ1 ~視点の多様化を促す読書会~
どんな本でも良いので1冊選定し、勉強会参加者全員で読みます。読んだ後に、面白いところつまらなかったところをまとめ簡潔に発表します。業務に関係するテーマであれば、業務に取り入れたい点など、本を読んだ人ごとの視点による意見収集が可能です。
同じ本を読み意見を言い合っても、人によって異なるポイントが抽出されます。勉強会を通じて、様々な視点を学べます。
☆おすすめテーマ2 ~サマリー力/A4トレーニング~
1冊の本を読み重要と思われるポイントを“無理矢理”A4・1枚にまとめ、重要と判断した理由を含めて発表します。同じ会社の同僚であっても、問題意識は様々であり、多様な視点や意見がえられるはずです。
このテーマは“無理矢理”がポイントです。1冊の内容をA4・1枚の紙にまとめるのには、多くの情報から「捨てる=取捨選択」を行わなければなりません。ポイントを発表するために、取捨選択の根拠を明確にするのも、日常業務のあらゆる面で役立つトレーニングになるはずです。
☆おすすめテーマ3 ~購入価格説明会~
勉強会の盛り上がりが期待できるテーマです。出席者それぞれに1つ、自分が担当した購入品の仕様を説明します。出席者は説明内容を参考に購入価格を見積ります。出席者の見積が終了したら、実際の購入価格を明らかにし、同時に価格の根拠を説明します。
このテーマのポイントは、実際に見積する点、また担当した購入品の価格の根拠を説明する点です。説明内容に対し出席者から言いたい放題のコメントが出されれば大成功です。「言いたい放題」の中には、新たな気づきがあるはずです。そんな気づきを次の価格査定や交渉に生かすのです。
費用対効果が高く、主催者の準備が過重ではないテーマを3つ挙げました。3つのテーマならすぐにできそうじゃありませんか?勉強会最大のメリットは、主催者がもっとも学べる点です。スキルは与えられるものでなく、自ら取り組んで獲得するものです。思い立ったらすぐ同僚に声をかけて行動しましょう。(牧野直哉)