会社を設立してからの地獄の日々~連載⑨(坂口孝則)

会社を設立してから、会計の基本について自分が体得していないことがありました。たとえば、会社の「資本金」てありますよね。あれは減るんですね。なんとなく、会社員で働いていると、資本金なんて減らない印象があります。でも、給料を支払っていると、すぐに減ります。当たり前ですが、1000万円を用意して会社をはじめると、それしか原資がありません。でも机上の理屈はわかっていても、「うおお、減るんだ」と思いました。

また、税金は支払わないとしかたがないのですが、外注コンサルタントは、ちょっと払う瞬間が微妙な気持ちになります。具体的に書くとまずいので書けませんが、書かないと読者がわからないので、やはり具体的に書きます。あるとき、20代のコンサルタントを外注しました。もちろん私だけがやればよかったんですが、案件としてどうしても私だけではできない規模のものでした。そこで、いろいろと探すと、知り合いの会社に「空いているコンサルタントがいるよ」とのことで面接をしました。有名大学卒業でしたし、対応は悪くないように感じました。

客先に連れて行くと、なんか違和感がありました。まず頷いているのですが、議事録を見ると、まったく意味不明です。修正するのが異常に時間かかってしまったので、それ以降は「誰が何を話したのか、発言録だけでいい」といって、私が記載することにしました。結果として、発言録は見なかったのですが、何もやらせることがなかったので発言録を記載させつづけました。

そのあとに、エクセルで支出分析をするのですが、まったくできない。いや、教えてくれたらできますよ、という態度です。ピボットテーブルも作成できません。関数もめちゃくちゃ。パワーポイントを見ると、支離滅裂。それ以降、エクセルのここに何を入れて、そしてどういう処理をしてくれ……とすべて指示してからやってもらうことにしました。

論理構成というか、ロジック、というか、これでこれでこれです、と三段論法で説明できないとコンサルタントとしてはしんどい。資料もプレゼンもそうです。しかし説明してもらっても、なんだか紙に書いてあることを述べるだけだし、数回のあと、結局は私がやることにしました。

たしか月に50万円くらいだったと思います(週に稼働は2日です)。それを支払うのも契約ですから支払うしかありません。たぶん一人でやったほうがよかったですし、もっといえば、親身になって育てなければならなかったのでしょう。ただ、そんなの他の会社のコンサルタントにやりますか?

その支払は、契約にしたがって数カ月に及びました。オチはありません。

(つづく)

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