バイヤー会議論(牧野直哉)
2.会議に呼ばれたとき
いろいろな部門と関わりを持ちながら業務を進める中では、会議へ出席を求められるケースも多いでしょう。しかし会議の出席そのものを仕事と考えるのは間違いです。したがって、会議出席を要請された場合は、会議招集者の立場を尊重しつつ、自分が出席する必要があるかどうかを見極めなければなりません。
必要かどうかを見極めるポイントは、会議出席で自分がどんな貢献ができるかどうかです。会議出席者全員に、なにか価値を与え、会議や、計画達成へのゴールへ貢献ができるかどうかを判断します。具体的な貢献は、会議する内容に関する発言や資料提示でおこないます。自分の理解を深める意味あいが強い場合は、議事録の作成を申し出るといった形での貢献を目指します。
●議事録作成の方法
1.ホワイトボードの前に立つ
・進行役の議事に沿って、出席者の発言内容を書く
・会議終了後は①印刷 ②写真撮影して、配布
2.パソコンで作成/ノートにメモ
・進行役の議事に沿って、出席者の発言内容を書く
・会議終了後、メールで配布
・自分の思いつきや、印象、問題点も、自分の業務改善や、振り返り時のヒントになるので、明記する
①会議開催の目的と背景を理解する
自分で会議を主催する場合と同じく、会議招集の通知から、会議開催の目的と、その背景を理解します。なかには「とにかく集まってください」といった形で、目的や背景が提示されていない場合もあるでしょう。招集通知を受けて、目的や背景の連絡がなく、かつ自分で思いあたらない場合は、会議招集者に問い合わせします。回答を参照した上で、会議出席要否を判断します。
②出席せずに済ませる理由を探す
①で述べた会議召集者への問い合わせに回答がなかった場合、会議の議事録の送付を依頼し、会議への出席は見送ります。自分の業務との関連性が薄く、貢献できる可能性が低かったとしても、内容に興味がある場合、出席するとの選択もあるでしょう。しかし、貢献可能性も低く、興味すら持てない場合は、遠慮なく会議出席を見送ります。そのような場合でも、会議招集者の真意を確認するために、議事録の送付は会議欠席を連絡する際に依頼します。
③他の出席者を確認する
会議招集通知を参照すると、他にどの部門の誰が召集されているかがわかります。同じセクションで何人も召集されている場合は、会議内容と業務の関連性と合わせて、他の召集者に任せられないかどうかを検討します。同じセクションであれば、互いに声を掛けあって「どうする?」といった相談も簡単です。任せられる仕事は任せて、自分がすべき仕事に集中する環境を作ります。
「会議の出席要否を見極める」のは、少し違和感を覚えるかもしれません。調達・購買部門に配属されたばかりだったら、周囲の同僚の業務内容を理解する目的があります。しかし、メールによって会議を招集する手間が激減している今、軽い気持ちの出席依頼は、確実に増加傾向です。会議出席以外にバイヤーがすべき仕事は山積しています。重要な会議は、優先度を上げて対処すべきですが、すべての会議に同じように対処する必要性は、残念ながら薄れているのです。
(つづく)