ぼくはこんなことを調べてきたパート2(坂口孝則)
先日、私は「仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。」なる書籍を発売しました。ぜひ、ご覧ください。この本では、ビジネス上で、実績をあげるために、私がどのように工夫して仕事を行ったか、すべて書きました。
この本は副題を<「計って」「数えて」「記録する」業務分析術>としまして、そのとおり、いかに資料を作ったりプレゼンしたり、交渉したりするかといった業務分析内容を記述しました。
さて、この本の発売記念ということで(笑)、私がさまざまな調査を行ってきたので、次に公開します。ぜひよろしかったら笑ってやってください。
【調査4】クリスマスとセックス特集がどれくらい組まれているか
くだらなくて、すみません。雑誌のメジャー誌に限定し、数を固定して、「クリスマス」とタイトルに入っている特集がどれだけ組まれていたかを調べました。
調べる前は、バブル期が盛り上がって、そのあとは減少すると思っていました。しかし、実際は、思い通りになりませんでした。
1989年が天皇崩御で、バブル崩壊の象徴の年といわれます(または1992年をバブル崩壊という論者もいます)。だから、1989年から1992年がクリスマスなんていうものに、もっとも浮かれた年だと思っていたんですね。でも、結果は、2004年や2005年がもっとも盛り上がっていました。不景気は、2008年から2009年のはずで、「むしろ、不景気だからクリスマスに浮かれたいんだ」という仮説にもなりませんでした。
これはどう解釈すればいいんでしょうか? 正直、わかりませんでした。みなさんはどう思いますか。
加えて「セックス」とタイトルに入っている特集がどれだけ組まれていたかを調べました。これも、正直にいえば、調べる前は、バブル期に一番盛り上がっているだろうな、と思っていました。
しかし実際には、バブル期よりも、さきほど説明したとおり、2000年代中盤に盛り上がって、むしろ近年は減少しています。おなじくみなさんはなぜだと思いますか? 仮説がありましたらご教示いただけると幸甚です。
【調査5】テレビの制作予算が減ってゴールデンタイムでの番組本数は減ったのか
6月10日の「時の記念日」にあわせて、時代をタイムスリップしてテレビ番組の推移をおってみました。日にちを特定し、現在から50年前までのテレビ欄をチェックしてみたんですね。これは、19時から22時はじまり(23時終わり)のいわば「ゴールデンタイム」帯の東京キー局の番組数を調べたものです。そこで、番組種類を次の通り分類してみました。
ドラマ
ニュース
クイズ
バラエティ
アニメ
映画
情報
歌
スポーツ
2013年6月10日は、
ドラマ:3番組
ニュース:1番組
クイズ:1番組
バラエティ:4番組
アニメ:0番組
映画:1番組
情報:6番組
歌:0番組
スポーツ:0番組
の16番組でした。
驚くのは、これに比較すること50年前、1963年6月10日の番組構成です。
ドラマ:10番組
ニュース:2番組
クイズ:0番組
バラエティ:1番組
アニメ:4番組
映画:1番組
情報:7番組
歌:2番組
スポーツ:3番組
と、実に、30番組もの数がゴールデンタイムに放映されていました。読者のみなさんも「昔は、そういえば30分番組が多かったなあ」と思いませんか? ドラマがキー局合計で10番組も放映されているのは瞠目します。ちなみに、ドラマでいえば、1983年には8本に減り、1993年、2003年には4本になり、さきほど掲示したとおり2013年には3本に減ります。
ところで、そのドラマに対比するかのように、1963年に0番組だったバラエティは、その後に伸び続け、4倍になりました。番組数推移から、俳優とお笑い芸人の需要と供給、そして俳優とお笑い芸人の世間的認知度、さらにギャなどを比較してみれば、一つの戦後文化史的研究にすらなるでしょうね。
私は「番組は多様にせねばならないのに、むしろ予算低下の時代にあっては、番組が絞られていくのではないか」と仮説を立てました。その仮説通り、番組数だけを並べてみても、
1963年:30本
1973年:24本
1983年:23本
1993年:20本
2003年:20本
2013年:16本
となり、ほぼ50年前の半減にいたったようです。
キー局のみ、かつ、定点観測とはいえ、ゴールデンタイムの番組数は昔ほど多かったと聞けば私はなんとなく合点がいきます。今よりむしろ、過去のほうがテレビは多様な番組を提供できていたとすらいえるかもしれません。
限られたコストのなかで、少ない番組数によって、多くの時間を埋める……これは現代の効率化というべきか。それは視聴者ニーズとはズレる可能性があるものの、番組数は現代のテレビ業界を示す数字でもありますね。
もうみなさん呆れちゃいましたか? 私はいろいろな調査を続けています。
<了>