プレゼンはこうする(牧野直哉)

●伝える内容をまとめるための方法とツール 2

今回は前回に引き続き、伝える内容をまとめるための方法とツールについて述べます。

*情報カード 

情報カードとは、継続的な情報蓄積を目的にして、一定寸法に裁断された紙(少し厚い)です。その歴史は、明治時代までさかのぼると言われています。梅棹忠夫さんが著書「知的生産の技術」の中でご紹介された「京大式カード」は、B6版の情報カードです。私は「情報カード(5×3サイズ)125×75㎜」を使用しています。

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カードに、写真にもあるサインペンで伝えたい内容を書く出してゆきます。頭の中の内容を出し切った段階で、カードを伝えたい順番に並べてゆきます。この段階で、内容に過不足がある場合には、加えたり、複数のカードで同じような内容だと判断した場合は、カードの内容を統合したります。そして、次のプロセスで、1枚のスライドに表現する内容を絞り込んでゆきます。当初、複数のカードに表現していても、1枚のカードで表現できる内容であったり、カードの繋がりに注意することで、論理の飛躍が修正できたりします。スライドの内容が固まって初めて、パワーポイントなり、keynoteに向かいます。

この方法のデメリットは、前回ご紹介したA4の紙と同様に、構想段階で手書きした内容は、最終的に入力作業が発生する点です。A4の紙よりも優れている点として、手書きによって表現方法が広がる上に、順番の入れ替えが可能となるメリットが加わります。ブレインストーミングを活性化する際に、アイデアを付箋に書き出して、書き出した雑多なアイデアを分類しますが、アウトプットに制限を設けずに、アウトプットの量を確保する方策です。同様の効果を狙った方法になります。

*マインドマップ

マインドマップはトニー・ブザン(Tony Buzan)さんが提唱した思考・発想法で、頭の中の考えを、関連性を持たせて目に見えるようにした思考ツールです。マインドマップ作成には、これも手書きとパソコンソフトを活用する大きく2つの方法に分けられます。私はパソコンソフト(MindManager)を使用しています。

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上記の画像は、9月に開催される「基礎セミナー」の原案です。大きく縦に3つの列があります。一番左が最初の案で、真ん中の案を経て、最終的に一番右の縦の列の内容でセミナーをおこないます。一番右の項目で色をつけていたり、矢印を明記したりしているのは、同じ内容や、もっと深掘りを要すると判断した内容を表します。
ソフトの機能には、各項目に詳細な説明を記入できますし、これらの項目はテキストですべてパワーポイントのアウトラインに活用できます。今、私が主に構想段階で活用するツールです。デメリットは、これは感覚的、そして好き嫌いの問題でしょうが、私の場合は手書きと比較して、発想の自由度が減少する気がしています。これはあくまでも印象なので、私は手書きのプロセスを入れることで、自分の中で「だしきった感」を持つようにしています。

*ノート(メモ帳)

上記のマインドマップによる方法を補完する方法で、常に持ち歩いているノートを活用します。実際の内容は、A4の紙でおこなう内容と全く同じです。

無印良品のノート(週刊誌4コマノート)

この方法は、情報カードの方法をノート上でおこないます。これまでにプレゼン方法をどのようにまとめるかとのテーマで話を聞いた場合でも、何度も登場した方法なのでご紹介します。

ノートにあらかじめ四角い枠が印刷されており、その枠に内容を記載してゆくとのスタイルです。無印良品の「週刊誌4コマノート」は、現在廃盤になってしまっています。しかし、この方法はA4の紙に四角をいくつか印刷しても良いですし、ノートに手書きで四角い枠を作ってもいいですね。このページには、さまざまな使用法がご紹介されています。( http://matome.naver.jp/odai/2134258164944278901 )

*自分なりの方法をみつける

ここまで、6つの方法をご紹介してきました。この方法を使ってみた上で私は、構想段階では手書き+マインドマップとを活用してプレゼンテーションを作成しています。パワーポイントはスライド作成のみです。手書きとマインドマップ(MindManager)とパワーポイントと3つのツールを使いますが、私の思考回路的には、もっとも適しているのです。もともと、頭の中は常に混沌(こんとん)としていてまとまりがないので、まとめ上げるためにはそれなりのプロセスを踏む必要があるのだと考えています。

「どうやったら上手に自分の考えを伝えられるのか」

これまでいろいろな情報に触れて、最適な方法を模索してきました。しかし、残念ながら他人がベストと思う方法は自分に100%マッチする可能性はきわめて低くなります。私がたどり着いた結論は、自分の最適な方法を自分で見つけ出すとの方法です。いくつかの方法を試せば、自分にしっくりくる=円滑にプレゼンが作成できる方法がわかります。皆さんもご自分にあった内容を探してみてください。

(つづく)

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