仕事をラクしながら稼ぐ方法(坂口孝則)

★★★★「過去を恥じるのは、成長したからだ」★★★★

私の好きな言葉に「過去を恥じるのは、成長したからだ」があります。ウォルマート創始者のサム・ウォルトンの言葉です。氏は批判が多いひとですし、たしかにコストコにくらべて従業員処遇が優れているとはいえません。ただ、起業家として、そしてセールスマンとしては圧倒的に優秀です。

氏は「過去を振り返れば、なんて自分の仕事は甘かったんだろうと思うことがある(大意)」。だけど「それは、自分自身が成長した証拠だ。過去の仕事を恥ずかしく思うのは、過去を乗り越えたからだ(大意)」といいました。これは、ずっと私を支えてくれている言葉です。

二つの意味があります。

もちろんひとつは、「過去の仕事を恥ずかしくてもいいんだ」と安堵を得るためです。私は23冊もの書籍を上梓しています。その内容ではなく、書体について恥ずかしく感じます。あまりに青臭い表現、紋切り表現、とにかく読みにくい表現……。さまざまな気持ちが湧き上がるものの、それでいいんですね。

そしてもうひとつは、「少し前の仕事に満足してしまっていたら、それは成長が止まった証拠」と反省できるからです。例をあげれば「モチベーションで仕事はできない」など、かなりうまく書けているのではないかと思うのですよ。しかし、1年も前の作品です。これに満足していては、自分自身が成長していないのを披瀝しているようなものです。

★★★★仕事時間を1割減らして、1割のアウトプットを増やしていくのが目安★★★★

ところで、過去の自分を恥じるとき、その「仕事の遅さ」に反省してしまいます。たった少しのアウトプットを出すのに、あまりに時間がかかりすぎなのです。

成長の目安はあるのでしょうか。もちろん、絶対的なものはありません。ただ、こう考えれば良いと思うのです。1年かけて「仕事時間を1割減らして、1割のアウトプットを増やし」続けていく、と。一日10時間働いていたら、9時間で現在の1.1倍のアウトプットを出せるようにしていく。

あまった残りの1時間は勉強ができます。あるいは、他の仕事ができます。または思考に使えます。この1割とは定量的に見えて、実際のところは定性的なものです。しかし、こう考えれば、目安にはなります。月給30万円のビジネスパーソンは、9割の時間で33万円を目指す、もしかすると、そのプラス3万円は会社外からもたらされるかもしれません。

ただ、その発想も「仕事時間を1割減らして、1割のアウトプットを増やしていく」と決意せねば生まれません。

★★★★目的を常に考える★★★★

このような話をするとき、重要なのが仕事の目的を常に考えることです。仕事の遅さのほとんどが、目的を見失ってしまうために起きます。部長を納得させるために必要なのは、綺麗な色の資料ではありません。情報でありメッセージであり強い意思です。それなのに、社内資料を時間かけて作ってしまうひとがいる。これでは、いくら時間があっても足りませんよね。目的思考があれば、パワーポイントの資料作成ではなく、ワードかメモ帳の箇条書きでも良いことに気づくはずです。

天才ジェフ・ベゾスが創立した有名すぎるAmazon.comでは、会議室に常に「誰も座らない豪華な椅子」が置かれているそうです。ジェフ・ベゾスが座るわけではありません。誰も座れません。それは「お客様」の象徴だそうです。社内会議でメモたとき、あるいは部門間争いが起きたとき、その椅子に目をやれば、自分たちがいかに馬鹿げた論争をしているか気づくのですね。自分たちの仕事の目的は「あのお客様のためにあるのだ」と常に方向修正すれば良いのです。

目的思考、とは簡単なようで、常に心しておくべきモットーです。

★★★★具体的な方法を常に模索する★★★★

仕事をラクしながら稼ぐためには、具体的な稼ぎの手段が必要です。当たり前ではあるものの、手段がなければ稼ぎを増やすことはできません(もちろん中長期的には出世することで稼ぎは増えるでしょうが)。そのときに、使えるのは「1日あたり思考法」です。これは、目標とする年収(なければ1億円と思ってください)を1日単位に割るものです。たとえば、年収1億円を目指すとすると、一ヶ月あたり840万円です。一ヶ月のうち25日ほど働くとすれば、一日33万円です。

つまり33万円を生み出すビジネスモデルを考えなければ、あなたの目標1億円は達成しません。こんな簡単な割り算にもかかわらず、多くのひとは実施していません。

具体的な数で述べましょう。おそらく2000万円くらいでしょうか。そうすると、同じく一ヶ月あたり170万円です。一ヶ月のうち25日ほど働くとすれば、一日7万円です。これならいけそうな気がしてきましたか。たとえば1万円の商品を販売しようとすれば、原価を無視して一日に7個販売するわけです。実際は何かの商品を販売しようと思えば、仕入れ対価は販売価格の50%くらいでしょうから一日に14個ほどですか。概算ではあるものの、こう計算すれば夢の2000万円に到達、というわけです。

★★★★お金を使うひとが、お金を稼ぐ★★★★

最後に、お金を稼ぐためには、お金を燃やす必要があると話します。これは浪費家の意味ではありません。むしろ、私が出会った着実な成功者はみな質素に暮らしています。ただし、使うときには使う。自分の成長になるいなら迷わず買う。たとえば平成進化論で有名な鮒谷さんは毎日何十冊もの本を購入しているそうです(作家ではなく、ジャーナリストではなく、コンサルタントでいらっしゃいます)。しかも、そのほとんどを読まない(笑)。でも、そのなかで一冊でも優れたものがあれば良いし、またページをぱらぱらとめくるだけでも頭に刺激になるというのですね。

たしかに私も50万円の教材を購入するときは迷いましたけれども(神田昌典さんの教材。できるだけ自己投資にはお金を惜しまないようにしています。ブランドバックなどでなければ、「迷ったら買え」はおおむね正解のように感じます。繰り返すと、通常は質素に、そして学習費用は大胆に、です。

世の中には、あなたが悩んでいることについて、すでに答えを持っているひとがいます。その出会いは多くの場合、学習によってもたらされます。おそらく、「仕事をラクしながら稼ぐため」の肝要は、他者の頭を活用することにありそうです。知的ショートカットです。株やFXで1000万円をソンしても、それでおしまいですが、学習で1000万円使ったら、おそらくその3倍くらいにはなるのではないでしょうか。そう考えると、もっとも効率が良い投資は学習になります。

<了>

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