中堅社員が走りながらやるべき10のポイント(牧野直哉)
4.マニュアルをつくる
中堅社員と周囲から認められ、かつ自負を得るためには、担当業務とその周辺業務は理解できているはずですね。その知識は、ほんとうに正確に理解されているでしょうか。正確に理解できているとは、例えば異動者だったり、新入社員だったりに、効率的に教えられるかどうか。教えたれた側が、正しく業務を進められるかどうかで判断できます。さて、いかがでしょうか。
ただし、中堅社員ともなると、みずからの担当業務の量も多く、質も高度になっています。異動者や、新入社員、後輩社員に、自分の知識やノウハウを教えるための時間を十分に割けません。どうすれば良いか。
皆さんのご勤務先でも、業務マニュアルが存在しているはずです。そのマニュアルと、皆さんが持っていらっしゃるノウハウには整合性が図られていますか。もし、ズレが生じていたり、皆さん自身にしかノウハウがない暗黙知の状態であれば、マニュアルを更新したり、新たに作成して、暗黙知を形式知に返還して、誰でも閲覧可能な状態にし、同僚のレベル向上に活用しましょう。
業務マニュアルは、各企業によって異なります。ここでは、万が一業務マニュアルが存在しない場合に、どうやってマニュアルを作るのかをお伝えします。
マニュアルを作成するためには、次の3点を明確にしなければなりません。
1. インプット
どんなきっかけによって、自分に仕事が発生するのかです。情報システムのメニュー画面になにかアラートが表示されるとか、メールが送信されてくるとか、様々な形があります。時期的な要因がきっかけとなる場合もあるでしょう。皆さんが行なっている仕事が、どんなきっかけによってもたらされるのかを明確にします。
ここでの注意点は、社内関連部門の後工程に調達購買部門が位置しており、きっかけが他部門のアウトプットである場合です。調達購買部門にとっての前工程で、どういった仕事が行なわれているかも、合わせて理解しなければなりません。
2. 業務内容
様々なきっかけによってもたらされた仕事の具体的な処理/対応の方法です。どのようなきっかけによって、どんなツールを活用して、要すれば意志決定を行なった上で、どんな種類の結果を出すのかを、明確にします。
「ツール」とは、使用する資料や、情報システムを活用する場合は、具体的な画面を明確にして、ステップ毎にやるべき仕事の内容を明らかにします。
「意志決定」が必要な場合、調達購買部門で典型的なケースは、サプライヤーを決定したり、購入品の価格を決定したりする場合が該当します。サプライヤー決定や、価格決定は、別のインプットが必要な業務になります。したがって、関連する業務の内容や、関連性も明記します。
3. アウトプット
行なった仕事の結果を明記します。例えば、サプライヤーへの注文書であったり、見積依頼書だったりといった、調達購買部門以外へ提示する内容や、調達購買部門内にデータとして蓄積する場合も該当します。
<つづく>