連載企画「速読は儲かる」第2回(坂口孝則)

<前回からの続き>

どうすれば読書によって稼ぐことができるのか。
実際、読書は大切だよといわれながら、多くのひとが思い立った瞬間だけは書店に走るものの、それらは積んどく状態になっている。あるいは本棚の飾りにしかなっていないかもしれない。

実は、その誤りから抜け出せる方法がある。私はこれまで何年も、稼げる読書を実行してきた。それにセミナー、研修や、各種メディア出演など、読書の力抜きには成し得なかったのも事実だ。とても短期間で情報を収集しなければいけない場合がある。そんなとき、やはりネットよりも書籍からの情報が、現時点では、正確だし体系だっている。その過程で、稼げる読書術が見えてきた。

<今回はここから>

そのパターンがわかれば、あなたの年収を上げるための読書の方法が見えてくる。稼ぐためには、当然ながら、仕事の幅や種類を広げることになる。何もしないでお金だけが入ってくることはないからね。とすると、そのサイクルをまわしはじめれば、どんどん読書せざるをえなくなる。結果、読書をしながら金を稼ぐという循環になっていく。

前回の連載で、私は読んだ本のほとんど理解できないといったけれど、もちろん、フレーズや単語くらいは覚えているものもある。そうすれば、会話に幅ができる。ぶっちゃけていえば、他人との会話のなかで、特定事象に関する深い知識よりも、浅い知識であっても「知っている」こと自体が重要なのがほとんどだ。

この効果的な読書法を学んでいただきたい。

そして、この連載で述べたい、もう一つの重要点は、読書がきらいなあなたでもすでに能力を持っていることだ。これほど複雑な日本語を話し、中学生レベルの作文を理解できるのであれば、なんら問題はない。
その一例をあげてみる。読むのはムリだよ、と思っている厚めの本を用意してみよう。それを高速で読めるのだ。なんら不可能ではない。不可能どころか、その本のなかで、あなたに役立つところだけを抽出できる。

突然ではあるけれど、実例を。

・日本では赤字空港ばかりだが、世界では空港経営は儲かる。なんと10~15%の利益が出ることも!
・むしろ世界的には航空会社経営はリスクが高く、搭乗率が低いと、すぐに赤字
・空港は航空系収入と非航空系収入にわかれ、後者はテナントの売上など。優れた空港はこの比率は1:1となり、飛行機を飛ばすといった本道の収入は半分程度しかない!
・サッチャー政権ではBAAなど空港の民間開放が進んだ。基本的に良いことだが、一部の不採算空港ではエレベーターが故障したまま修理されないなど、支障がないわけではない

これは、私がワイドショーで空港経営についてインタビューを受けたとき、事前に「空港経営」という本を読んだ際のメモだ。安倍政権が発表した経済政策のうち、民間に開放されるという空港経営。そのねらいや、現状、将来予想を、経営・コスト評論家の立場から語ってほしいという。私は、もちろん、空港関連の経営やコスト体質についてまったくの無知ではない。でも、それだけをやっている専門家ではない。インタビューの依頼から、実際のインタビューまでたった1時間。最寄りの本屋にいって、とりあえず何冊か買っておいた。

上記の殴り書き(メモ)は、書籍2ページ1秒の速さでめくっていって、そこから得たメモだ。もちろん、その速さだから、すべてを理解することはできない。細かな点は覚えていない。しかし、自分に役立つところ、興味あるところだけは、すぐに探し出せるのだ。

本当かよ。その程度なのかよ。

そうあなたは思ったかもしれない。

私も、当初は一から十までじっくりと書籍をめくっていった。しかしそうすると、一冊を読むのに相当な時間がかかる。ただ、書籍全体が役立つかというと、それは別。ビジネス、そしてお金を稼ぐ観点からいえば、自分に役立つところ、興味あるところだけわかればいい。

ここでのコツは、自分に役立つところを3箇所だけ抽出することだ。それ以外は捨ててしまうわけなので、かなりの勇気が要る。でも、必要だ。

本連載では、この高速抽出方法にも言及していくので参考にしてほしい。

これは高速で抽出するのであって、いわゆる一般的な速読ではない。通常の速読術では、一字一句を高速で読んでいく。ただ、私の速読術では、自分自身のために書かれた箇所を拾い上げるイメージだ。その箇所は輝いている。その輝きに注意して探すだけだ。

小説などを読むのには不適切だろう。それに、楽しむ読書とも無縁かもしれない。でもそういう読書は、そういう読書として趣味でやればいい。少なくとも私が言いたいのは、趣味の読書とは別だ。お金稼ぎに使う書籍は、使える知識が詰まっているので、それを効率的に使いこなせばいいということだ。

これまで本をすべて読まねばならないと思うから気が重かった。でも、本から3箇所のみピックアップするだけ、と考えれば、他人よりも優秀になれる。いや、少なくとも優秀と勘違いしてもらえる(勘違いされる、のは、ほんとうに優秀になるための必要なステップだ)。

「何も本ではなくてもいいだろう」といわれるかもしれない。それについては二つのコメントを述べておこう。まず、その意味が、雑誌や新聞、あるいは電子書籍でもいいのではないか、という意味であれば、それはたしかにそのとおりだ。ただし、私流の速読術はそうした媒体においても有効である。

次にその意味が、ネットやテレビなどの情報でじゅうぶんだろう、ということであれば、その両媒体では情報量があまりに断片的すぎたり、絶対量に欠けたりしている。

ネットでなんでも情報が手に入る、という幻想もあるけれど、むしろそれらの理由からから書籍の重要性が高まっているといえるだろう。その現状は、ネットが世界を支配する、といった著者たちが書籍でその主張を訴えていることからもよくわかる。それに、書き手の一人として述べるならば、ネット上の記事を書く場合と、書籍・雑誌の原稿を書く場合では、相当に気持ちが異なる。当然、後者が正確さに注意している意味だ。その意味でも、活字情報の価値はむしろ高まっていると、私は思う。

さらに、現在、活字離れが進んでいるから、チャンスととらえることができる。なぜかって? ライバルたちが書籍にアクセスしなくなっているのであれば、それを活用して出し抜けるからだ。良い情報ほど、日本ではテレビなどでは放送されない。テレビのメインターゲットは主婦層だからだ。真面目で、かつ、重要な情報ほど書籍に頼るしかないんだよ。これが現実だ。

情報過多って言葉があるけれど、ほんとうだろうか。むしろ、たくさんのメディアで情報が流れているだけで、その量が多様になっているとは思えない。もっと情報を摂取すべきだと私は思う。しかも書籍によってだ。

いま、いろいろな分野で知識を統合してくれるひとの需要が高まっている。私が関わっている分野でも、たとえば中国のサプライチェーン上のリスクだとか、アメリカの商行為上の最新法規制だとか。それらは、たしかに新聞紙上で断片を目にするひとは多い。だけれど、まとまった情報を集めて、咀嚼してくれるひとは少ない。以前、キュレーターって言葉が流行った。ミュレーションとは、役立つ情報を整理して発信してくれる専門家のことだ。そう、その意味では、まさにキュレーターになるべきで、いまほど分散した情報を自分なりに伝えられる人材が求められる時代はないだろう。

この連載を読んでくれているひとは、おそらく、そんな人材になる素質が備わっているはずだ。私はみなさんのために、自分がやっている速読方法や、それらの情報を集めてどう発信するのかについて、すべてを書いていきたい。

私は、速読したり、情報をまとめあげたりするために、ものすごいお金をつかって勉強した。それに、試行錯誤も続けた。思想書や硬派な哲学書にもぶつかった。その結果、どうだったか。いま使っているのは、高校生でも理解できる程度の知識だ。わかりやすい論理だ。それならば、最初から、専門家になるのはあきらめて、書籍のポイント・ポイントをおさえて、稼げる読書をすればいいんじゃないか?

みなさんは私のように遠回りをする必要はない。私の速読術は、目標を絞れば、最短で習得できる。

ここから、知識も得られて、そしてお金も得られる一挙両得の速読術をお伝えしたい(当連載は続きます)

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